腹筋 ページ16
家に帰り、冬姉に「おかえりー」と言われた直後にガタンッという物音が聞こえた。
「焦凍がAの部屋にベッド戻すんだって」
「え？ …あ、そういう」
布団並べて寝たら俺が危ない(物理)からな…。
自室に向かうと、焦凍がベッドを設置し終えたようだった。
「帰ってたのか。おかえり」
「ただいま。ベッドありがとな」
「や、俺が悪ぃし」
一緒に寝るとか、親父怒りそうだな。
今更ながらそう思ったが、まあいいかと考えるのをやめた。
制服からジャージに着替え、ベッドに乗り移った。
そのまま仰向けに寝転がると、焦凍の不思議そうな顔が目に入る。
「……寝るのか？」
「違ぇ、腹筋」
「筋トレか」
足が動かないため、上半身の筋トレしか出来ないが、焦凍同様に毎日鍛えてはいる。
「手伝うか？」
「お。じゃあ足押さえてくれ」
「わかった」
いつもは一人でやっていたが、押さえてくれる人がいるならだいぶやりやすい。
焦凍もベッドに乗り、膝をまげた状態でキープ出来るように押さえてくれた。
内心で回数を数えながら腹筋を始めた。
「足、触られてる感覚はあるのか？」
「あんま、り、ない」
やりながらだと言葉が途切れ途切れになる。
チラッと焦凍の顔を見ると、俺の足を見て、そっと触ってみたりしていた。
「乗ってるの痛くねえか？」
「だい、じょう、ぶ」
「そうか」
俺が淡々と40、41、42……と回数を数える中、焦凍は俺の足に興味津々な感じだった。
俺の足や身体には傷跡が沢山残っている。
足は特に酷いが、背中から首にまで届く一本の傷跡なんかも結構目立つ。
「……痛かったよな」
ぽつり、と焦凍が呟く。
……焦凍のせいじゃない。それは確かなのに、焦凍はあの日俺を助けきれなかったことをとても悔やんでいた。
俺が勝手に路地裏に入ったのが悪いのに。
「お」
100回終えたところで、起き上がった勢いでそのまま焦凍の首に腕を回して引っ掛け、横を向きながら思いっきり引っ張った。
思惑通りに焦凍は俺の横に倒れ、俺を見て「なにするんだ」と少し動揺していた。
「次、焦凍の番」
「俺もやるのか」
起き上がって、腕を使って焦凍の足側に移動して、さっきの焦凍のように足を押さえた。
「A、上半身器用すぎねえか」
「慣れだ」
「慣れか」
ほら200回、と言うと、「100じゃねえのか」と言われ、きっちり数えてたんだなと少し感心した。
続く
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千椛(プロフ) - ヒーロー名が2人でショートケーキになるの、なんか嬉しかったです！更新楽しみに待ってます！ (2022年2月20日 22時) (
レス) @page16 id: 5a2d0a48cd (このIDを非表示/違反報告)
Re:(プロフ) - 夜空の流れ星?さん» コメントありがとうございます！めっちゃ嬉しいです…完結せず新作出してて申し訳ないです。期待に添えるよう頑張りたいです！ありがとうございます！ (2019年4月20日 22時) (レス) id: 9081ea5a92 (このIDを非表示/違反報告)
夜空の流れ星?(プロフ) - 新作品ですね！いつも影で見させてもらってます）(^_^;)頑張ってくださいね！ (2019年4月20日 22時) (レス) id: 654431c6cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Re: x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2019年4月20日 21時
