ヒーロー補佐 ページ13
ヒーロー名は「ケーキ」にした。
ずっと前から決めていたものだ。焦凍も予想通り「ショート」だった。
「職場体験は一週間。肝心の職場だが、指名のあった者は個別にリストを渡すからその中から自分で選択しろ。
指名のなかった者は、予めこちらからオファーした全国の受け入れ可の事務所40件。この中から選んでもらう」
相澤先生がそう言ってリストを生徒に配った。
配られたリストを一瞥して、一件の事務所が目に留まる。
……
「焦凍」
肩を叩いて、リスト見せて、と言うと、
焦凍は俺に見えるようにリストの位置をズラした。
_______エンデヴァーヒーロー事務所。
「………やっぱ来てるよな」
「…Aにもか？」
「ああ」
俺を失敗作だなんだと言うくせに、指名だけはちゃっかり寄こしやがって。
常人よか強い、ということを認められてはいるんだ。焦凍には全く及ばないと思われているだけで。
どうせヒーローやるなら自分の手駒に、ってとこか。
父さんらしい。
「焦凍、どこに行く？俺は」
「エンデヴァーヒーロー事務所」
「………俺もだ」
そう言うと、焦凍は驚いたように俺を見た。
いや俺も驚いたんだけどな。焦凍も行くのか…。
「はは、やっぱ考えること一緒なのか。……焦凍、これ見てくれ」
とん、とエンデヴァーヒーロー事務所の下に書かれた「(ヒーロー補佐のみ)」の文字を指差した。
俺はあくまでサポート役として指名されたってことだ。
「俺もって言ったけど、父さんにはこの部分抗議するつもりだった。でも、"ショート"がいるんだったら、俺は補佐でもいい」
補佐でも一応はヒーローだ。
父さんの、「ヒーローを諦めろ」という言葉はもっともだと思っている。
それでも、どうしてもなりたかったから、ずっと一途に目指してきた。
「二人で最強になるなら、俺はこっちに回るべきだと思う」
メインがショート、補佐がケーキ。
俺が単騎で挑み、ヴィランを倒すことは可能だとしても、"会社"として俺を送り出すリスクは高い。
ハイリスクノーリターンになる可能性だって十分にあるし、任務が全うできなくなる確率を考えれば焦凍をメインに置くのは妥当だ。
もう少し下の会社に入って、普通のヒーローになるって手ももちろんある。
でも俺は……
「補佐で最強になる。それが俺のヒーローへの道だ」
妥協してヒーローにはなりたくない。
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千椛(プロフ) - ヒーロー名が2人でショートケーキになるの、なんか嬉しかったです！更新楽しみに待ってます！ (2022年2月20日 22時) (
レス) @page16 id: 5a2d0a48cd (このIDを非表示/違反報告)
Re:(プロフ) - 夜空の流れ星?さん» コメントありがとうございます！めっちゃ嬉しいです…完結せず新作出してて申し訳ないです。期待に添えるよう頑張りたいです！ありがとうございます！ (2019年4月20日 22時) (レス) id: 9081ea5a92 (このIDを非表示/違反報告)
夜空の流れ星?(プロフ) - 新作品ですね！いつも影で見させてもらってます）(^_^;)頑張ってくださいね！ (2019年4月20日 22時) (レス) id: 654431c6cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Re: x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2019年4月20日 21時
