56 ページ12
率直に言おう。
帰りたい。
「まっすぐ進めばオールマイトが待ち構えてるはず。ここは迂回して…」
「何で逃げなきゃなんねぇんだ。ブッ倒した方がいいに決まってんだろうが。
終盤まで翻弄して疲弊したとこ俺がブッ潰す！」
早速意見がわかれている。と二人の後ろをついていきながら、ぼんやりと前を見つめる。
結局あんまり良い案は浮かばなかった。というかオールマイトに抹消使ったらどうなるんだろう。…いや、やめておこう。
「オールマイトを何だと思ってんのさ。いくらハンデがあってもかっちゃんがオールマイトに勝つなんて…」
「これ以上喋んな…ッ！ちょっと調子がいいからって喋んなムカツクから」
機嫌が悪いな、かっちゃん。
もともと頭が良いかっちゃんだから、実力差なんてわかっているはずなのに。
ため息をついていっちゃんに手を差しのべる。
「…大丈夫？」
「ごめんね、ありがとう…」
どうしようか。
「待ってよかっちゃん！試験に合格するために僕は言ってるんだよ！」
「だからてめぇの力なんざ合格に必要ねぇっつってんだ！」
「怒鳴らないでよ！それでいつも会話にならないんだよ！」
珍しくいっちゃんが声を張り上げる。
…まずい、
「っく、！」
慌てて一佳ちゃんの個性で仰ぐも、圧倒的にこっちの力の方が弱い。
オールマイトが放った風圧を消すことは叶わず、思わず後ろに飛ばされかける。
「試験だなどと考えていると痛い目みるぞ。
私はヴィランだヒーローよ。真心込めてかかってこい！」
オールマイトの眼圧に少し後ずさると、かっちゃんがスタングレネードを放つ。
咄嗟にエンジンでかっちゃんを突き飛ばすと、顔面を掴まれる。容赦ないな。
すぐに切り替え連続爆破をするも、ちょい痛いだけだと地面に叩きつけられる。
「かっちゃん！正面からぶつかって勝てるハズないだろ！？」
「喋んな。勝つんだよ。
それが…ヒーローなんだから！」
…ああ、やっぱりかっちゃんは格好良いね。
と、オールマイトがまた動く。駄目だ、今からじゃいっいゃんは間に合わない。
痛む身体に鞭打って、またエンジンでかっちゃんを突き飛ばす。
刹那撃ち抜かれた腹部への衝撃に、思わず嘔吐してしまう。ああ、汚いな。
「クソが……っ！」
「ぅえ、いっちゃん！」
急いでいっちゃんに駆け寄り、硬化でガードレールを壊す。
かっちゃんはオールマイトに何か言われているようだ。
「あのクソの力借りるくらいなら負けた方がまだ…マシだ…ッ！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柊夜(new)(プロフ) - リコさん» ありがとうございます〜！これからも頑張りますので応援よろしくお願いします！ (2018年5月16日 18時) (
レス) id: ad6dd0d979 (このIDを非表示/違反報告)
リコ(プロフ) - 遅くなりましたがパート3おめでとうございます(*´∀｀)これからも更新頑張って下さい！応援しています(*´∀`)♪ (2018年5月16日 16時) (レス) id: 99beb34d9a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柊夜(new) | 作成日時：2018年5月12日 15時
