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カーテンを開けると、うっすらと見える三日月が雲の間から主張するように光を出していた。
私は比較的ラフな服を選んで薄い上着だけを羽織る。
いつもは１つにまとめている髪も、結ぶのが面倒くさくて下ろしたままにした。
靴はサンダルのようなものを選んで、見事近場のコンビニへ向かう人のようになった。
お世辞にも"女子"とはいえないその格好に自分でも笑えてくるが、特に気にするようなことでもない程度に思っていたため、ドアの戸締りをして公園へ向かった。
道中では必ず呪霊と出くわすが、害のない雑魚しかいないため無視をする。
呪術師を夢見る分際のくせに、と思うだろう。
たしかに私は呪術師をいまだに目指している。
しかし、同時に"普通"でもありたいのだ。
あえて七海さんの口癖を借りて言うと、時間外労働は勘弁してくれ。
ということだ。
少し歩いて公園の近くに着くと、あの日と同じようにギーっというブランコの鈍い音が聞こえてきた。
私はまた爆豪くんが座っているブランコの隣に座るとなぜか懐かしく思えた。
私の存在に気づいた爆豪くんは、少しこちらを向いてすぐに目線を逸らしてしまう。
『お待たせ』
爆豪「おせェ」
私自身約束の時間ぴったりについたものの、遅いと言われてしまう理不尽さにも笑って許せる。
なぜなら爆豪くんが約束よりも早く来て、少し楽しみにしていたような雰囲気だったため、とても健気で可愛いと思ったからだ。
爆豪くんは上を向いて、電灯に集まる虫をしばらく見つめていた。
私も同じところを見て、電灯に群がる雑魚呪霊を見つめた。
『すごい群がってるね』
爆豪「虫平気なんか」
私は一度爆豪君の方を見て、目を見開いた後笑ってみせた。
そうだ、君と私では"視てる世界"がまるで違うんだった。
なぜか少し悲しくなって、今度こそ群がる虫を見て顔をしかめた。
『......ううん、気持ち悪いね』
こうやってたまに私は、相手の視えているものと自分の視えているものが違うと、少しショックを受けてしまったりする。
使い方は違うかもしれないが、いわゆるカルチャーショック的なものだ。
その後私たちは他愛もない話をしてすんなり解散をした。
もし爆豪くんが視えていたら。
まだ彼のことをほとんど知らないのに、そんな可能性を少し望んでしまっていた。
ただ、これから先、必ず"なにか"の距離ができてしまうのが怖かったのかもしれない。
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ひよこ(プロフ) - 星雀さん» そのまま口角が一周するくらいまでニヤニヤしちゃってください！笑、読んでくださってありがとうございます！ (2月24日 0時) (
レス) id: e8e266fc43 (このIDを非表示/違反報告)
星雀(プロフ) - ニヤニヤしまくりで口角吹き飛んだんですけどどうすればいいですか！？(笑) (2月13日 17時) (レス) @page50 id: cb3ce32ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - 莉緒さん» なによりの言葉です、嬉しすぎます！ありがとうございます！ (1月27日 17時) (レス) id: a2bbe4e09f (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - 見てます！！！めっちゃ楽しんで読んでます！！！ (1月27日 14時) (レス) @page50 id: ff1884054a (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - エリスさん» わざわざありがとうございます！！こんなに長くお待たせしてしまったのに、まだ見ていてくださっていて感激でしかありません！ありがとうございます...！ (1月26日 23時) (レス) id: 3fc035aadc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこ | 作成日時：2023年11月13日 14時
