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なんとか魔の商店街の細道を抜け、夏休みにしては人の少ない開けた場所に出た。
近くに踏切があったので、どこか懐かしいような気がして渡っていこうと思いルートを変えた。
私の家からここまではおそらく3駅ほど離れているだろう。
よくよく考えれば往復なので、結局1時間のランニングになる。
まあ、どちらにせよ痩せるなら結果オーライだ。
踏切近くまで来たところで、チカチカと点滅したかと思えば聞き慣れた甲高い音がけたたましく鳴った。
その音を聞いた人たちがせわしく踏切を渡っていく。
音で危険だと人間に知らせれるものだから、本当不思議だ。
ふと、子供連れのお母さんに目をやった。
大きいお腹を抱えて、まだ小さな男の子と手を繋いで、焦った様子で線路を渡ろうとしている。
まだ電車が来るのには余裕があり、マナーの悪い人間が遮断桿を跨いでいくので、その光景は特に不思議ではない。
ただ、その親子は少し前から線路の上にいるのでやけに目についたというところだ。
段々と電車の来る時間が差し迫ってきていても、依然その親子だけは線路の上を動こうとしなかった。
嫌な予感はしていた。
だが、それを確信として持てるような勘はない。
しかし、最終的に確信となるのは事実だ。
そう、それは自分が見た聞いた、あらゆる五感を使って感じるもの。
『！』
微かながらもピンと来た。
体に電流が流れる感覚。
間違いなく負の感情から湧き出る呪力だ。
事実から目を背けたいながらも、恐る恐る男の子の足元を見てみた。
予感は的中。
男の子は、あるはずもない紫色をした��手��にしっかりと足首を掴まれていた。
ただの雑魚呪霊だが言葉はなぜか嫌でもわかる。
脳に語りかけられるようにして、掠れたその声しか聞こえなくなる。
��返して��と。
ああ、この手はきっとこの場所で亡くなってしまった母親の手なんだ。
子供を残して逝ってしまったのかな、なんて呑気に考察が頭をよぎった。
��助けて��
そう聞こえたとき、急に現実に引き戻されたように息が軽くなる。
その声の主は、泣き叫んで母親に助けを求める男の子のものだった。
それを境に、急に周りの音が鮮明に聞こえる。
男の子の助けに必死に応える母親の声、甲高く鳴り響く踏切の音、カメラを構えてその様子を撮る野次馬の声。
そして、耳をつんざくような電車の、大きな急ブレーキの音。
鼓膜が破れそうなほどの音に、考えることよりも先になぜか体が動いた。
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ひよこ(プロフ) - 星雀さん» そのまま口角が一周するくらいまでニヤニヤしちゃってください！笑、読んでくださってありがとうございます！ (2月24日 0時) (
レス) id: e8e266fc43 (このIDを非表示/違反報告)
星雀(プロフ) - ニヤニヤしまくりで口角吹き飛んだんですけどどうすればいいですか！？(笑) (2月13日 17時) (レス) @page50 id: cb3ce32ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - 莉緒さん» なによりの言葉です、嬉しすぎます！ありがとうございます！ (1月27日 17時) (レス) id: a2bbe4e09f (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - 見てます！！！めっちゃ楽しんで読んでます！！！ (1月27日 14時) (レス) @page50 id: ff1884054a (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - エリスさん» わざわざありがとうございます！！こんなに長くお待たせしてしまったのに、まだ見ていてくださっていて感激でしかありません！ありがとうございます...！ (1月26日 23時) (レス) id: 3fc035aadc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこ | 作成日時：2023年11月13日 14時
