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『私は.....』
一瞬、本当のことをこの人になら言ってもいいやなんて錯覚が起こった。
が、私の理性が踏み止まり、無意識に動こうとしていた唇を噛み締める。
恋は盲目。
それは、恋をしている側の気持ちが伝染して、恋をされている側もかかってしまうものでもあると思う。
現に今の私がそうだった。
私は噛み締める力を弱めると、もう一度口を開いた。
今度は、言葉を間違えないように、慎重に。
『私、無個性なんだ』
ニコリといつものように笑いかけると、なぜか爆豪くんはきまりが悪そうに目を逸らした。
反応も心なしか薄い。
その時、確信した。
��ヒーロー��を目指す人はみな、やはり��無個性��を軽蔑視していることを。
もし彼が軽蔑視まではしていなくとも、なにも決まりが悪そうにしなくてもいいだろう。
そんなに可哀想なものなのか。
少し私は幻滅した。
もちろん私は無個性ではない。
だが、個性とも呪術とも言い切れない中間地点の能力を持っているので、無個性よりも中間地点の異例な力の方がもっと意味がわからないに決まっている。
なぜか私の心の奥底がひんやりと冷えていく気がして、夏場だというのに涼しいと錯覚してしまいそうだった。
私たちの間に完全に会話がなくなってしまい、耳には飛行機のエンジンの音が響き渡った。
とうとう駅前につくと、私は振り返ってもう一度ニコリと笑いかける。
営業スマイル、ってやつだ。
『爆豪くん、私が無個性だって知って好きじゃなくなったんでしょ』
やけに甘ったるい声色でニコニコと、問いかけるというより洗脳に近い形で「わかっています」というように言葉を投げかけた。
爆豪くんは目を見開いてこちらを見たかと思うと、ハッ、と鼻で笑ってヴィランじみた笑顔を浮かべる。
くそ....。
正直、この話に終わりの光が見えたと思ったのに。
私は今ちゃんと笑えていないだろう。
爆豪「ンなことでてめェを好きじゃなくなるっつーことは絶対ェねえから安心しろや、先輩？」
『......私も爆豪くんのそういう生意気なところは嫌いじゃないよ』
さっきまでおとなしかった爆豪くんが嘘のように、いつもの平常運転に戻っていた。
なにか思い詰めるというか、悩んでいるような顔をしていたから、私関係であることは明確だ。
ただ、その真実に触れたくなくて知らないふりをすることにした。
本当、生意気な後輩だ。
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ひよこ(プロフ) - 星雀さん» そのまま口角が一周するくらいまでニヤニヤしちゃってください！笑、読んでくださってありがとうございます！ (2月24日 0時) (
レス) id: e8e266fc43 (このIDを非表示/違反報告)
星雀(プロフ) - ニヤニヤしまくりで口角吹き飛んだんですけどどうすればいいですか！？(笑) (2月13日 17時) (レス) @page50 id: cb3ce32ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - 莉緒さん» なによりの言葉です、嬉しすぎます！ありがとうございます！ (1月27日 17時) (レス) id: a2bbe4e09f (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - 見てます！！！めっちゃ楽しんで読んでます！！！ (1月27日 14時) (レス) @page50 id: ff1884054a (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - エリスさん» わざわざありがとうございます！！こんなに長くお待たせしてしまったのに、まだ見ていてくださっていて感激でしかありません！ありがとうございます...！ (1月26日 23時) (レス) id: 3fc035aadc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこ | 作成日時：2023年11月13日 14時
