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私たちの間に少しの沈黙が続き、また爆豪くんは下を向いてしまった。
失恋でも、人間関係の悩みでもなければ、この爆豪くんが悩みそうなことってなんだろう。
爆豪くんとは初めて喋ったが、噂が流れていたり、体育祭の時の様子などから色々自分なりに気を遣いながら考えてみる。
しかし、そもそも悩み事なんてなさそうで、そういう気分でここに来ているだけかもしれない。
そう考えるしかなかった。
『まぁ、なにであれ頑張ってね』
私は精一杯の気遣いということでその場を立ち去ろうと、ブランコをガシャリと鳴らし立ち上がった。
爆豪「....俺」
が、久々に感じる爆豪くんの声に振り返って下を向いている彼を見た。
爆豪「あるヤツを今まで本能的に遠ざけてた。でも、アイツはいつも俺とちゃんと向き合ってて、気づいたら俺が見上げるようになってた」
"あるヤツ"とはいったい誰のことなんだろう。
一つの疑問も、第一印象とは違った爆豪くんの弱々しい声にかき消されてしまった。
こういう時、どう返せばいいのだろう。
私はとにかくもう一度ブランコに腰を下ろし、ギーっとゆっくりゆらゆら揺らした。
『爆豪くんは、悔しいと思ったんだ？』
爆豪「...おう」
私の問いに、少し戸惑ったような間があいたが爆豪くんは素直に答えてくれた。
空を見上げると、金色の月が丁度雲と雲の間に隠れていて、それはまた幻想的な雰囲気を醸し出している。
私はブランコに座ったまま身を乗り出してニコッと笑いかけた。
すると、爆豪くんの赤い瞳と目が合う。
『なら、君もちゃんと向き合えてるじゃん』
目を逸らされたかと思えば、下を向いて黙り込んでしまうので私も一瞬どうしたらいいか分からなくなる。
だから、なにか、なにかと励ます言葉を慎重に選んだ。
『悔しいって思うことは、君がちゃんとその子と向き合えてる証拠だよ』
肩が震える爆豪くんは、きっと泣いているんだろう。
今度は目も合わなかったが、私はもう一度ニコリと笑いかけた。
月にかかっていた雲がなくなり、綺麗な満月を見るとそろそろ帰ろうという気になってブランコを静かに立ち上がる。
爆豪「名前、教えろ」
ぶっきらぼうに聞こえる爆豪くんの声に少し微笑んで、私は勢いよく後ろを振り向いた。
そして、今度は一番の笑顔を向ける。
『秘密、かな！』
もう、関わることはないだろうから。
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ひよこ(プロフ) - 星雀さん» そのまま口角が一周するくらいまでニヤニヤしちゃってください！笑、読んでくださってありがとうございます！ (2月24日 0時) (
レス) id: e8e266fc43 (このIDを非表示/違反報告)
星雀(プロフ) - ニヤニヤしまくりで口角吹き飛んだんですけどどうすればいいですか！？(笑) (2月13日 17時) (レス) @page50 id: cb3ce32ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - 莉緒さん» なによりの言葉です、嬉しすぎます！ありがとうございます！ (1月27日 17時) (レス) id: a2bbe4e09f (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - 見てます！！！めっちゃ楽しんで読んでます！！！ (1月27日 14時) (レス) @page50 id: ff1884054a (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - エリスさん» わざわざありがとうございます！！こんなに長くお待たせしてしまったのに、まだ見ていてくださっていて感激でしかありません！ありがとうございます...！ (1月26日 23時) (レス) id: 3fc035aadc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこ | 作成日時：2023年11月13日 14時
