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「俺さ」
『はい』
いつもの帰り道、先輩と肩を並べて歩いていると、突然先輩が話を持ちかけてきた。
それに関しては珍しいことではなかったのに、なぜか心がざわついた。
「ヒーロー目指してんだよね。オールマイトみたいになんのが夢」
『先輩ならなれますよ！』
夢を語っている割に暗い顔をしている先輩が気になって、私はいつもよりも笑顔で勇気づけようとした。
何度も聞かされたヒーローになりたいという夢は、私は本気で応援していたから。
が、先輩の耳には届いていなかったのかもしれない。
先輩はいきなりピタリと足をとめて、向かい合わせのようになる。
『先輩？』
「呪いとかよく分からない事言って、そんなに俺の気を引きたい？」
『......信じられない、ですよね。でもそんなつもりは本当になくて』
「でも作り話だよね？それとも俺が雄英志望なの知ってて邪魔しようって？」
『先輩？何を...』
「あーいいよ。性格悪いのはもともと知ってたから」
まるで頭を鈍器で殴られたかのように何も考えられなくなって、言葉が出てこなかった。
先輩の目は今まで見たこともない冷たい目をしていた。
その目を見たら、あぁもうこの人は私のことを見ていない、って気づいた。
それでもまだ好きだった。
行ってほしくなかった。
先輩なら分かってくれると思った。
だから、笑顔でいた。
もう一度笑いかけてもらえるように。
きっと下手な笑顔だったけど、それでも先輩の目をまた惹けるように。
はじめから叶うはずのない恋だったのに。
『先輩！私は...！』
「なんで笑ってんの」
『......ごめんなさ、』
「いっつもヘラヘラしてんのも、呪いが視えるっていうのも病気なんじゃね？」
先輩はそれだけ言い残して去っていってしまった。
"辛い時こそ笑顔でいなさい"
そんな祖母の言葉を全否定されたようで、私はそこにあるはずのない目に見えない"ココロ"がズクンと痛んで体から力が抜けていく。
先輩の背中も見れないほどに、私にとってその言葉は残酷で息が詰まるみたいに呼吸の仕方が分からなくなる。
私はその場に膝から崩れ落ちて、涙だけが頬を伝って声を殺して泣いた。
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ひよこ(プロフ) - 星雀さん» そのまま口角が一周するくらいまでニヤニヤしちゃってください！笑、読んでくださってありがとうございます！ (2月24日 0時) (
レス) id: e8e266fc43 (このIDを非表示/違反報告)
星雀(プロフ) - ニヤニヤしまくりで口角吹き飛んだんですけどどうすればいいですか！？(笑) (2月13日 17時) (レス) @page50 id: cb3ce32ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - 莉緒さん» なによりの言葉です、嬉しすぎます！ありがとうございます！ (1月27日 17時) (レス) id: a2bbe4e09f (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - 見てます！！！めっちゃ楽しんで読んでます！！！ (1月27日 14時) (レス) @page50 id: ff1884054a (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - エリスさん» わざわざありがとうございます！！こんなに長くお待たせしてしまったのに、まだ見ていてくださっていて感激でしかありません！ありがとうございます...！ (1月26日 23時) (レス) id: 3fc035aadc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこ | 作成日時：2023年11月13日 14時
