１３ ページ14
『はぁ〜......』
姫野「Aがため息とか珍し〜。雪でも降ってる？」
ついさっき、もうすぐ夏休みだという話を聞いたのにも関わらず、私の幼馴染である
『ゆいゆい〜、真剣に聞いてよ〜』
姫野「勝手に話せば？あたしが興味持ったら聞き直すわ」
『相変わらず冷酷』
姫野唯、おしとやかで可愛らしい名前がついたのにも関わらず、唯は昔から男勝りな性格で口が悪い。
しかし、本当は優しくて、口とは裏腹に実は真剣に話を聞いてくれているのだ。
更に、そんな男勝りな性格の唯は、中学の頃から今でも3本の指に入る美女と言われている。
まあ、性格がわりと親しみやすいので"高嶺の花"とかは聞いたことないけど。
ギッと音を立てて私の座る前の席に座った唯は、どうぞ、と言わんばかりにスマホの画面を閉じて爪を見つめている。
そんな唯の優しさに私も口を開いた。
『あのね......もうすぐ夏休みでしょ？それで、沢山夏休みの課題が出されたのがすっごくつらい』
唯は私よりも大きいため息をついて、爪をいじるのをやめた。
姫野「はぁ......一瞬でもちゃんと話聞こうと思った私がバカだったわ。そんなしょうもないことでため息なんか、」
『あと、告白されたんだけどさ......』
姫野「はぁ！？」
私が唯の言葉を遮ると、もともと大きい目を更に大きく見開いてガタリと椅子をひっくり返す勢いで立ち上がった。
なぜかプルプル震えて、何か言いたげに口をパクパクさせている。
その姿が魚みたいで私は思わず笑うと、朝から大きい声で「笑い事じゃない！」と怒られた。
『でも別に告白されるとか初めてじゃないでしょ？なんでそんなに、』
姫野「誰？ソイツ。またAを傷つける奴がいるならあたしが許さない」
真剣な眼差しでこちらをみる唯を見ると、私は何も言えずに俯いた。
あの出来事がもしも唯にとって、トラウマであり自分を責める材料となっているのなら、私がどうにかしなければならない。
しかし、もう過去は変えられないという事実を突きつけられ、頭がクラクラとして目が回った。
唯、ごめんね。
あの時......中学の私はまだ幼くて、純粋すぎた。
そう、口に出すこともなくただ心の中で何度も唯に謝っていると、突然ドアが開いてそちらの方を見る。
『爆豪くん？』
そこには爆豪くんの姿があった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 543人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひよこ(プロフ) - 星雀さん» そのまま口角が一周するくらいまでニヤニヤしちゃってください！笑、読んでくださってありがとうございます！ (2月24日 0時) (
レス) id: e8e266fc43 (このIDを非表示/違反報告)
星雀(プロフ) - ニヤニヤしまくりで口角吹き飛んだんですけどどうすればいいですか！？(笑) (2月13日 17時) (レス) @page50 id: cb3ce32ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - 莉緒さん» なによりの言葉です、嬉しすぎます！ありがとうございます！ (1月27日 17時) (レス) id: a2bbe4e09f (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - 見てます！！！めっちゃ楽しんで読んでます！！！ (1月27日 14時) (レス) @page50 id: ff1884054a (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - エリスさん» わざわざありがとうございます！！こんなに長くお待たせしてしまったのに、まだ見ていてくださっていて感激でしかありません！ありがとうございます...！ (1月26日 23時) (レス) id: 3fc035aadc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひよこ | 作成日時：2023年11月13日 14時
