緑谷家の双子【MHA】 (ページ17)

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そのじゅうなな。ページ17

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出久は
オールマイトから力を受け継いだこと
”個性”ワンフォーオールのこと
オールマイトのこと
そしてオールフォーワンのこと…

たくさんのことを話してくれた。

最後にいつもの困り顔で笑うと

「ずっと寂しい思いをさせてごめんね」

と言う。

その時、私の心にいつとかかっていたモヤがパーっと晴れた。

『…そっか、私、ずっと寂しかったんだ』

出久の言うように、単純に何も教えてもらえない寂しさもあったと思う。

でも、今まで私は出久の個性を取ったからって、出久を守ることに執着して…いや、出久を守るということで自分の罪滅ぼしを、自分の生きる意味を肯定しようとしてた。

出久が前に進むことで、出久が変わっていってしまったから…その意味が失われて、自分が否定されている気がして、自分だけ置いて行かれてしまったと思って…寂しかったんだ。

(1人だけで過去にとらわれて…情けないなぁ…)

心の中で呟く。

頬を一筋、涙が伝うのを感じる。

急いで袖口で拭うと

『…話してくれてありがとう‼』

精一杯の笑顔で感謝の気持ちを伝えた。

出久も「へへっ…」と同じ笑顔を浮かべると何かを思い出したような顔をしていそいそと棚を漁り出す。

『…なにしてるの?』

「んーっと、ここら辺に…あ、あった‼」

そう言って取り出すのは出久の【将来のためのヒーロー分析】ノートだ。

「引織の”個性”の活用法とか、いろいろ考えたんだ‼」

引織は僕に遠慮して、あんまり個性を使ってこなかったでしょ

と言って今度は恥ずかしそうに笑った。

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それからは出久と二人で私の”個性”をどういう風に使えるか、たくさん話し合った。

途中からはどのヒーローはどんなところが素晴らしい。などヒーローオタクの語り合いになってしまったが、長年広がり続けた出久との距離が、確かに縮まったのを感じた。

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正直、”個性”がオールマイトと同じものだということを予測していたにしてもそう易々と信じられる話ではないし、一度に与えられた情報が多すぎて少々混乱しているけど

今日からは”二人で”前に進んで行ける。

それだけは自信を持って言えるよ。

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