緑谷家の双子【MHA】 (ページ15)

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そのじゅうご。ページ15

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『ただいまー』

「おかえり引織、出久は?」

『あー…ちょっと怪我しちゃって。保健室よるって言ってたから先に帰ってきちゃった』

出久が”個性”を使って怪我をした…とはなんとなく言えなかったため適当に濁して部屋へと戻る。

リュックを置いてからベットにボフンっと飛び込んで天井を見上げる。

出久が”個性”を使った。

最初は本当に出久に”個性”が発現したのかと考えた。
その場合はなんの個性であろうか。

出久が”個性”を使ったのはボール投げ。
ボールを”弾いた”のかと思ったが、その”個性”を持っている私には分かる。

あの”個性”はそんな”個性”ではない

あれは＿＿＿＿

「ただいまー」

玄関から出久の声が聞こえる

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SIDE 緑谷出久

「ただいまー」

「おかえり出久、怪我したんだって?大丈夫?」

「えっ、あ、ウン。大丈夫だよ」

どうしたのかと聞かれたので「ちょっと指をね」と言って誤魔化した。

部屋に戻ってリュックを下ろすとコンコンと扉がノックされる。

『…出久…引織だけど、話があるんだ』

「あ…うん、入ってよ」

引織は部屋に入ってくると僕の勉強机の椅子に腰をかけた。
僕はベットに座り引織と向き合う。

「…えっと、話って？」

『うーん…とね』

引織は眉を八の字にし、困ったような顔をする。
どうやって話を切り出すか迷っているようだ。

少し俯いてふーっと息を吐き出すと

『…今日の、ボール投げ、個性…どういうこと?』

と告げる。

「どういうことって…曖昧な質問だね」

と困ったような苦笑いをして答える。

引織は一度ギュッと目をつむってからゆっくりと開くと話し始める。

僕が”個性”を使って驚いたこと。
最初は”弾く”個性が特化して発現したのかと思ったこと。
でもやはり違うと感じたこと。

そして

『ねぇ、出久。私は…いや、私たちはもっと”それ”に近い”個性”を見たことがある。

圧倒的なまでの強い力…

あなたの”個性”…オールマイトと同じ、なんじゃない?』

こんな滑稽無党な話、いきなり言い出してごめんね。と引織は苦笑いをするがその目はどこか不安で揺れていて、疑うことで僕を傷つけるのでは無いか、と言う恐れにも感じた。

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