No.231 薬少女は痛みに疎い ページ45
*美染 side*
過酷な鍛錬を終えた私たちは、プッシーキャッツに命じられて自分たちの夕食を自分たちで作ることになった。
記念すべき一回目のメニューは、カレー。
主に一佳が指示を出し、みんながそれぞれ役割に分かれて作り始めた。
私はそれなりに料理ができるということで、野菜を切る役目に任命された。
料理は確かにできるんだけど、正直…活性薬を今までに無いくらい使いまくったせいで、まだ頭もクラクラするし体もだるいんだよな……。
でも、みんなも同じように疲れてるんだし…ワガママ言っちゃいけない……。
その一心で野菜を切っていたのだが、不意に近くにやって来た切奈の一声で意識が引き戻された。
「美染っ!? 指っ！ 指切れてる！」
「……え」
言われて初めて気付いたが、ちょうど野菜を押さえていたほうの手の指が切れて血が出ていた。
「あ……ごめん。野菜に血、付いてないかな……」
「バカっ！ 野菜よりも自分の心配しなって！」
切奈の慌てように気付いたのか、それぞれ作業していたみんなも集まってくる。
「どしたー？」
「美染が指切っちゃったの！ 誰か絆創膏持ってない!?」
「ハァ!?!? またやらかしかい薬使！！ 勘弁してくれよ！！」
口ではそう言いつつ、寧人は真っ先に駆け寄ってきて私の指の様子を確認する。
「そんなに深くは切れていないようだけど……というかまさか、取蔭に言われるまで気付かなかったのか？」
「うん…ちょっと、ボーッとしてて……」
「君って奴は……」
寧人が呆れたように溜め息をつくのをよそに、唯が「ん」と絆創膏を差し出してくれた。
「ありがとう、唯」
「ほら、貸して。自分じゃ貼りにくいだろ？」
唯から受け取った絆創膏を寧人が取り上げ、すぐに指を水で洗ってから貼ってくれる。
「ありがとう」
「まったく……疲れてるのはわかるけど、それにしたって自分の痛みに鈍すぎる。"個性"の関係上、そっちのほうが良いのかもしれないけど……見てるほうとしては心配の種にしかならないね」
素っ気なく言いつつも、寧人は不安げに視線を落としていた。
「……ごめんね。気をつける」
「……うん、わかればいいんだよ」
ふっと笑ってポンと私の頭を撫で、寧人は作業に戻った。
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空文 晴霧(プロフ) - まいねーむいずオタッキーちゃん！さん» B組好き切実に増えてほしいですね！！(ちなみにハイキューも好きです(笑)) (2022年11月24日 7時) (
レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
まいねーむいずオタッキーちゃん！ - Ｂ組の皆...惚れてまうやろ！(別アニメ←ハイキュー!!) (2022年11月24日 6時) (レス) @page46 id: 78bf642dad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空文 晴霧 | 作成日時：2021年11月12日 23時
