No.207 冷たい手 ページ21
*物間 side*
「さっきこの子の怪我はぜーんぶ【ストック】しといたから、あとは失った血液が戻るのを待つだけ。でも……ハッキリ言って、ひどい怪我だった。アレが全部自分でやったっていうのが嘘に思えるくらい」
これまでにも様々な怪我を目の当たりにしてきたであろうシャッフルハートがそう告げるくらい、本当にひどい傷だったのだろう。
「……すみません。僕は…あなたにも、彼女のことを任されていたのに…結局、彼女がこんなふうになるまで無茶をさせてしまった……」
グッと拳を握り締めてうつむく僕に、シャッフルハートは優しく微笑みかけてくる。
「貴方が責任を感じることは無いよ。大方、この子が無茶するって聞かなかったんでしょ。これは、後でちょ〜っとお説教かな」
おどけたようにそう言うシャッフルハートに、「でも！」と言葉を続ける。
「それでもっ……止められたかも、しれない。だけど……彼女を止められなかった。それは、僕の弱さゆえです」
「物間くん……」
顔を上げられないでいる僕に歩み寄り、シャッフルハートは僕の頭をポンポンと軽く叩いた。
「お姉さん嬉しいよ。かわいい愛弟子に、こんなにも想ってくれる素敵なクラスメイトがいてくれて」
恐る恐る顔を上げる僕に、シャッフルハートは笑みを浮かべたまま続ける。
「だからこそ……この子には、その事実をよく理解させておかなきゃいけない。それは、師匠である私の仕事だから。物間くんは……この子が目覚めた時、笑顔で迎える準備をしてあげてて！」
「それが、貴方にしかできないことだよ」と告げられ、僕はゆっくりと頷く。
「……わかり、ました」
「うんっ、任せた！」
少し荒っぽく僕の頭を撫で回し、シャッフルハートは病室を出ていった。
残された僕は、未だ眠り続ける彼女の手にそっと触れる。
「……冷たい」
血が足りないせいか、彼女の手はまるで死人のように冷たかった。
そこに彼女の温もりは一切無く、僕の心は鉛を入れられたかのように重くなる。
「早く、戻ってきなよ……。君には…飽きるほど、文句を言いたいんだからさ……」
静かな病室で、冷たい彼女の手を握り締め……僕は、誰にも届かぬ言葉を吐くのだった―――。
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空文 晴霧(プロフ) - まいねーむいずオタッキーちゃん！さん» B組好き切実に増えてほしいですね！！(ちなみにハイキューも好きです(笑)) (2022年11月24日 7時) (
レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
まいねーむいずオタッキーちゃん！ - Ｂ組の皆...惚れてまうやろ！(別アニメ←ハイキュー!!) (2022年11月24日 6時) (レス) @page46 id: 78bf642dad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空文 晴霧 | 作成日時：2021年11月12日 23時
