No.198 頼み ページ11
*美染 side*
ダメだ……数が、多すぎる。
エンジン切れしてしまった飯田くんは警備マシンに押し潰され、トリモチ弾を創り続けていた八百万さんは限界が来たらしくふらつき、峰田くんも頭のアレをもぎりすぎて血を流していた。
寧人も、借りていた麗日さんの"個性"を使いすぎて酔ってしまったらしく、青ざめた顔をしている。
私はというと、もはや腕は切れる場所が無くなるほど赤く染まっていて。
一つの切り傷から出てきた血を薬として扱うには、制限時間がある。もちろん、薬として人に使った場合はその制約は無いのだが……とにかく、この使い方を続けるには制限時間が来るたびに新たに血を流さなくてはいけないということだ。
そのせいで、痛みはひどいし血が足りなくてクラクラしてきた。
でも、ダメだ。ここで、ここで食い止めないと＿＿＿。
そんな私の思いを踏みにじるかのように、隙を突いて警備マシンたちが緑谷くんたちが向かった方向に進んでいく。
「っ！！ ダメっ……！」
まだ無傷の足にナイフを滑らせようとした私めがけ、警備マシンが数台向かってきた。
ダメだ…反応が、間に合わない……！
動くこともできず覚悟したその瞬間―――警備マシンは、目にもとまらぬ速さで蹴り飛ばされていた。
「しっかりしろ薬使っ！！」
ハッと我に返ると、いつの間にコピーしていたのか、寧人の足に飯田くんの【エンジン】が生えていた。
「君がもし、まだ諦めないのなら……今すぐ緑谷くんたちのほうへ行ってくれ。例の活性薬を使えば、君なら追いつけるだろ」
「っ……！ でも……待って。それじゃあ、寧人たちは……？」
「あのなぁ！！ 何が最優先事項がわかってるのか!? もしここで仮に僕らが捕まっても、メリッサさんが警備システムを戻してさえくれればどうとでもなる！！ それを成功させるためにも……行ってくれ、頼む」
「寧人……」
私に、そんなことを頼んでくるなんて…あれだけ、私を一人で行動させたがらなかったくせに……。
でも……任せてくれるんだね。だったら、私は……それに、全力で応えないと。
「……わかった。行ってくる」
覚悟を決めてゆっくりと頷くと、寧人は満足気に微笑んで警備マシンに向かっていった。
それを見届けてから私は、力を振り絞って活性薬を体中に巡らせ、一気に駆け出した。
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空文 晴霧(プロフ) - まいねーむいずオタッキーちゃん！さん» B組好き切実に増えてほしいですね！！(ちなみにハイキューも好きです(笑)) (2022年11月24日 7時) (
レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
まいねーむいずオタッキーちゃん！ - Ｂ組の皆...惚れてまうやろ！(別アニメ←ハイキュー!!) (2022年11月24日 6時) (レス) @page46 id: 78bf642dad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空文 晴霧 | 作成日時：2021年11月12日 23時
