No.92 増えた“憧れ” ページ47
*美染 side*
「ねぇねぇメディスちゃん、お姉さんが良い物あげよっか！」
パトロールを終えて小事務所に戻るなり、シャッフルハートがそんなことを言ってきた。
「良い物……ですか？」
「そ！ メディスちゃんって、自分の知識にある薬を血で使えるようにする"個性"なんでしょ？ 本事務所から貴女用に何冊か薬の本持ってきてたから、よかったらあげるね！」
そう言いながら、シャッフルハートは机の上にドサッと何冊か本を置いた。
試しに一冊手に取って軽く目を通してみると、初めて見るような薬の詳細がびっしりと載っていて……私にとっては、夢のような本ばかりだった。
「え……これ、本当にもらっちゃっていいんですか」
「いいよ〜！ どうせ同じような本、腐るほど持ってるし！」
これだけの種類の薬を扱えるようになったら、きっとヒーローとしての幅がたくさん増えるはず……そんなの、考えただけで胸が高鳴ってしまう。
「あらあらあら？ メディスちゃん、なんだか目がキラキラしてる！ かわいいね〜！」
わしゃわしゃと頭を撫で回してくるシャッフルハートに、私は「くすぐったいです……」とだけ訴える。
「でも、そんなにたくさん覚えられる？ 私なら脳がパンクしちゃうわ……」
シャッフルハートのサイドキックの一人が心配そうにぼやいたのに対し、私はハッキリと答える。
「私、記憶力は良いんです。絶対に、モノにしてみせます」
私の返答を聞き、サイドキックたちは顔を見合わせて満足気に微笑み合い、シャッフルハートもニッコリと笑みを深めた。
「うんうんっ、自分の能力に自信満々なのは良いこと！ それじゃ、今日の活動は終わりにするから、あとは好きなだけその本読んでて！」
「はい、お疲れ様でした。本、ありがとうございます」
ぺこりと頭を下げると、またもやシャッフルハートにその頭をわしゃわしゃとされた。いい加減にしてほしい。
でも……悪い人ではないんだろうな、この人は。
道行く人に声をかけられていたけれど、その誰しもが笑顔でこの人の名を呼んでいた。
それは、彼女のこれまでの功績が生んだ人徳なのだろう。
私も……なりたいな。顔を見せただけでみんなを笑顔にできるような、そんなヒーローに―――。
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空文 晴霧(プロフ) - うり太郎さん» 何回目だろうと大歓迎です！ ありがとうございますm(_ _)m 物間くん良いですよね！！！ うちの美染ちゃんは強い子です(笑) (2021年10月6日 23時) (
レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
うり太郎(プロフ) - 物間、カッコイイぞ!って思ったら･･･美染ちゃん強え。続き毎回めっちゃ気になります!この作品はもっと伸びるべき!!因みに私、物間推しなのでくっついてくれるとウレチイ|´-`)ﾁﾗｯ2回目のコメント失礼しました!これからもニマニマしながら読ませて頂きます! (2021年10月6日 12時) (レス) id: ccbe99882f (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - しゃけふれーくさん» ありがとうございますー！ もう無いなら自分で書いちゃえと思って書き始めました(笑) これからも応援よろしくお願いします！ (2021年9月6日 20時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
しゃけふれーく - コメント失礼します！！B組の小説があまり無かったので本当に嬉しいです！！これからも頑張って下さい！応援しています！！ (2021年9月6日 20時) (レス) id: 60a68be70d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空文 晴霧 | 作成日時：2021年9月5日 15時
