No.49 保健所番の少女 ページ3
*瀬呂 side*
一回戦で轟に惨敗してしまった俺は、軽い凍傷を負ったので出張保健所までやって来た。
「すいませーん……って、あれ?」
ドアを開けて中に入ると、そこにリカバリーガールの姿は無く。
「……いらっしゃい」
何やら分厚い本を読んでいた少女が、顔を上げて無表情で出迎えるのみだった。
「リカバリーガールなら、ちょっと出てるよ」
俺の心中を察したように教えてくれる彼女に、「あ、そうなの?」と返す。
「えーっと…B組の、名前……」
「薬使美染」
端的に答える彼女に、俺は「悪い悪い」と苦笑を浮かべつつ謝る。
「ちょっと凍傷しかけてっから、治癒してもらおうと思ったんだけど……」
「そうくると思って、凍傷用の薬の情報、今頭に叩き込んだから。実践させて」
「へっ? 実践?」
読んでいた本を置いたかと思うと、彼女は腰に
そして、いきなり自分の腕を切り裂いた。
「うおわっ!?!? ちょっ、何してんの!?」
「何、って……"個性"、使ってるだけだけど」
俺の反応が意外だとでも言うように、彼女は首を傾げつつ説明した。
「私の"個性"、自分の血を薬に変化させられる」
そう言ってから、薬使は俺に向かって小さく手招きをする。
それにつられるように、俺は彼女と向かい合う形で椅子に座った。
「初めて創った薬だから、効果は期待しないでね」
淡々と言いつつ、彼女は自分の血を俺の腕に塗っていく。
その様子をぼんやりと眺めつつ、俺はふと湧いた疑問を口にした。
87人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
空文 晴霧(プロフ) - うり太郎さん» 何回目だろうと大歓迎です! ありがとうございますm(_ _)m 物間くん良いですよね!!! うちの美染ちゃんは強い子です(笑) (2021年10月6日 23時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
うり太郎(プロフ) - 物間、カッコイイぞ!って思ったら・・・美染ちゃん強え。続き毎回めっちゃ気になります!この作品はもっと伸びるべき!!因みに私、物間推しなのでくっついてくれるとウレチイ|´-`)チラッ2回目のコメント失礼しました!これからもニマニマしながら読ませて頂きます! (2021年10月6日 12時) (レス) id: ccbe99882f (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - しゃけふれーくさん» ありがとうございますー! もう無いなら自分で書いちゃえと思って書き始めました(笑) これからも応援よろしくお願いします! (2021年9月6日 20時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
しゃけふれーく - コメント失礼します!!B組の小説があまり無かったので本当に嬉しいです!!これからも頑張って下さい!応援しています!! (2021年9月6日 20時) (レス) id: 60a68be70d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2021年9月5日 15時