せーんぱっ！？2

後輩だろう ページ6

まぁぶっちゃけその日は虫の居所が
悪かったことは認めるけれど。

諸｢俺な、さっきAと電話してて気がついたんだよな
相当性格悪いな、って｣

そのイキナリのぶっちゃけが何の関係が
あるのかちょっと小一時間ほど聞かせて欲しい。
そういえばお前二徹目か？？はよ寝ろよ。
と思った僕も二徹目だった。
話が長くなるのなら、と用意したコーヒーを啜る
ずずっと音が鳴ったが僕一人の家だ。
注意されることもない。
早く寝かせて欲しいと思ったりなんてしてない。

諸｢萩原言ったんだろ？Aにちょっかいかけた女に俺も松田も好きだからそばにいるって
知っちゃったらしいぞ、A
その子に暴露されたらしい｣

恋愛のことなんぞ本当にどうでもいい
同期2人が同じやつを好きとかどうでもいい
早く寝たいなんて思ってない
にっこりと満面の笑みをうかべたヒロとは
対照的にサーッと顔の色が引いてしまった2人。
なるほど、性格悪いとはこの事か。
この二人のこの顔を見たいという意味か、
だからビデオ通話か。なるほど。
やっと筋の通った理由が判明してスッキリする
今なら安眠できる気がする寝かせてくれ。
けれどまだ寝かせてくれる雰囲気じゃないので
またしてもコーヒーを啜っておく。

諸｢お前ら2人ともAが好きだったんだな、
まぁ俺も好きだけど。｣

降｢ぶっ！？｣

すすっていたコーヒーを思わず吹き出してしまった。
いやはや目が覚めた。嘘だろお前。
同期5人中3人が後輩を好きだって？？？？
それなんてラブコメだ？？？？
汚いぞ、とヒロに言われたけれど余計なお世話だ。
汚れてしまったテーブルを綺麗にして
まじか、と呟けば、まじだ、と返される。

諸｢それ聞いて意識しただけらしい、よかったな｣

それだけだったよ、と笑うヒロは最高に悪い笑顔だ。
明日どう顔を合わしていいかわかんねーなどと
叫んでいるふたりに、頑張れよーとヒロは言う。
意識されるだけ良かったじゃないか、と
呟いたヒロは先程とは違う少し寂しそうな顔。




恋は盲目というが本当らしい。
通話を繋いでいる四人中僕を除いた3人が
僕の迷惑も何も考えず叫んでいるのを
その日僕は一晩中聞いた。



今度Aと飯に行こう
そんでなにか仕返ししてやろう、こいつらに
こいつらの弱点はAであると改めて思い知ったのだから。
それを使わぬ手はないだろう、普通に。
そうして僕は3徹目に入った。

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