せーんぱっ！？2

後輩である ページ5

諸伏景光ただいま

ピコン、と控えめな音が携帯から発されて
通知を開けばヒロらしいといえばらしい文章が表示される。
ただいま、ってお前Aと何時間話してたんだよとは言わず、おかえり、と返す。
収穫はあったのか、と喚き散らす爆処組は
ヒロがAと電話をし始めてからずっと
この調子だ。
それをずっと聞かされた僕の身にもなって欲しい
あーでもないこーでもないと永遠ループとも
取れるような話を何時間も！
ヒロが聞きに行ったんだ、待てよと言っても
聞きたくないだの待てないだのと子供のように。

諸伏景光聞いてきたが、聞きたいか?
聞きたいのなら通話しないか、あ、ビデオの方な

こいつは一体何を企んでいるのだろうか
ビデオ通話をわざわざして見飽きたと言っても
間違えでないような同期の顔を休みの日の夜に
しかもこんな時間に見て何を話すというのだ。
特別な感情など持っていないけれど
相手がAや女性ならまだしも男で同期
顔なんぞ飲み会の時に見るか見たくなったら
写真を見ればそれで満足だろうに。
流れていく会話を傍観していたらいつの間にか
始まったビデオ通話に嫌々ながら応じる

諸｢ゼロ起きてたんだな、寝てるかと思った｣

いつもと変わらない表情のヒロはしれっとそう言う。
いや、心なしかなんだかニヤついてるような

ああこれはあれだな。
良くない顔、ってやつだ。
Aがいたら悪い顔も似合うだのなんだのと抜かして喜ぶだろう

それに気が付いているのかいないのか
おそらく後者であろう2人がどうだった？と
不安げに聞く。

諸｢明日2人に話が来ると思うよ
Aな、知っちゃったらしい｣

何を、だ。
肝心なところが抜けているぞと
ツッコめばなんだと思う？と笑うヒロ
黒歴史なんぞかなりの数あるがむしろ
後輩という立場のあいつなら割かし知っているだろう
2人に限定されたもの、なんて僕がわかるはずもなく2人へヒロからの質問をと丸投げする。

萩｢わっかんねぇ…｣

松｢同じく｣

降参だ、と両手を上げた萩原に続いて
頭を捻らせていた松田も続く。
寝る前だからサングラスをしていない松田。
そっちの方が個人的には童顔で中性的な顔が
際立って似合っているぞ、といつだったか
言った際に喧嘩を売られたことを思い出す。
その場にいたヒロ曰く喧嘩を売ったのは僕らしいが。
褒めたつもりだったのに。

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