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ふたりとひとり ページ38

「うん、知ってるよ」

分かってるよ、大丈夫だよ
そういうAに情けなさも不甲斐なさも
全部隠さずにしがみつくように抱きつく。
それに優しく抱き締め返してくれる。
きっと俺の気持ちのほんの少ししかわかってない
この気持ちの全てを伝えるには何日かかっても無理だろう
今までの彼女もちゃんと好きだった。
けれどこんなにも、好きになるのは初めてで。
好きなこの前ではかっこよくありたいと思うのにそれすらも出来ないくらいに揺れる感情に
自分はこんな嫉妬深いのかと気付かされる。
博愛主義者上等と、来る者拒まず去るもの追わずで結局のところ本気になったことがないだけなのかもしれないが。

萩「酷いこと言った、ごめん」

荒れに荒れていた感情がどうにか収まった
ところで、改めて謝罪すれば、Aは笑って平気だよ、という。

「研二に嫌われたかもしれない、
って思うよりずっと辛くないから」

萩「嫌わない、嫌うわけがない、こんなにも愛してるんだから」

「なんか、今日ちょっとオープンだね?」

萩「Aが選ぶなら松田でも誰でもいいって思ってたんだよね
けどさ、やっぱ受け入れることは出来ても
悔しい気持ちは多分収まんないだろうから
だから、全力でAに好きになって貰えるように頑張ろうかなって」

頬を撫でてそういえば、
しっかりと合わせていたはずの視線がそらされてどんどん顔を赤くしていくAが愛おしい。

松「だあぁぁぁぁぁ!!!なんなんだよ!!!マジで!!!」

すっごくいい雰囲気だったのに。
松田の声が響いて一気に崩れ落ちる。
一瞬扉の方を振り向いた自分が恥ずかしい。
そうだった、電話をかけていたんだった。
けれど一向に出る気配のない松田と
かけた始めたと同時に怒り出したAの
おかげですっかり忘れていた。
どこから聞いていたのか、とかまぁ色々と
恥ずかしいことばかりを並べていたのを
思い出して思わず座り込んでしまう。カッコ悪。

萩「松田、ごめん、え、っとどこから?」

松「好きだ、ってお前が言ったところから。
なんのためにかけたんだよ!そんなの聞きたくねーよ!仕事中だっての!」

松田陣平お怒りである。
当然か。伊達でも怒るかもしれない。
降谷など怒りでぶん殴られるかもしれない。
諸伏に至っては多分知らぬ存ぜぬ関わらぬだろう。
なんだかんだと松田は優しい。
怒鳴りつける声はするものの、絶対に切ったりしない。
応答がない時点できればいいのに。

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Hrry(プロフ) - ほのかさん» 幸せにします!絶対!ありがとうございます!! (2019年10月19日 19時) (レス) id: 94eb334c47 (このIDを非表示/違反報告)
ほのか - 夢主さん、頑張って!胸がギュってなるぅ・・・。凄く切なくなるけど、幸せなラストを待ってます!Hrryさん、頑張ってください! (2019年10月16日 22時) (レス) id: 949a14dbde (このIDを非表示/違反報告)
Hrry(プロフ) - 頑張ります!!今から分岐に向けてラストスパートです!!! (2019年10月16日 17時) (レス) id: 94eb334c47 (このIDを非表示/違反報告)
ぽこぽん(プロフ) - 続編来ましたね!!Hrryさんの小説、大好きです!此れからも楽しみにしてます!無理しない程度で頑張って下さいね♪v(*'-^*)^☆ (2019年10月13日 21時) (レス) id: b37f06fbda (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Hrry | 作成日時:2019年10月13日 15時

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