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ひとり ページ34

一人で帰してしまったAが先程から
心配で心配でたまらない。
仕事はあと少し、真面目にすれば10分とかからないだろう
けれどそれに専念出来ないのは無事にたどり着いたら連絡をしてと言ったのに未だ連絡が来ないせいだ。
普通に歩けば足が俺らのように長くなく
歩くのが遅いAでも10分や15分の距離なのに
20分経つ今でも連絡が無いままだ。
そうなれば必然とこちらから電話するわけで。
何通か送り付けていたメッセージにはなにも反応がない。
何コール目か、多分10は超えた。
プチ、っと音がして出たと思ったのもつかの間
留守電へと切り替わっただけだ。
何かあったのでは、と胸がざわつく。
もう一度、とかけた電話、これに出なかったら
仕事など全部誰かに押し付けて帰ろう。

「…、…、、…、ぁ、」

荒い呼吸、過呼吸、とすぐにわかった。
何が原因で、だって怖がるようなものは何も
今はもう落ち掛けの太陽だってAが
帰る時には高く明るかったというのに。
家に入れば電気をつけて、それで終わりだというのに。
電気をつけずにいた、とか?そんなまさか。
俺の家はたとえ外が明るくてもそれが多少なりもれてはいる程度、電気をつけなくては、
そこまで考えてやっと原因がわかった。
馬鹿だった、一人で帰さなければよかった
日当たりの悪い家と自覚があるのなら
電気をつけっぱなしにしておけばよかった
後悔ばかりが浮かぶ、じっとなどしていられない

萩「松田!あと任せた!Aん所行く」

財布に携帯、最低限の必需品だけを
手にとってカバンなどそのまま置き去りに
言うが早いか走り出すのが早いかそのまま部署を出る
おい、と叫ぶ松田の声が背中越しに聞こえてきたけれどそんなので止まっている暇はない。
こんな全力疾走などいつ以来か。
家まで5分、この距離が酷く長い。

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Hrry(プロフ) - ほのかさん» 幸せにします!絶対!ありがとうございます!! (2019年10月19日 19時) (レス) id: 94eb334c47 (このIDを非表示/違反報告)
ほのか - 夢主さん、頑張って!胸がギュってなるぅ・・・。凄く切なくなるけど、幸せなラストを待ってます!Hrryさん、頑張ってください! (2019年10月16日 22時) (レス) id: 949a14dbde (このIDを非表示/違反報告)
Hrry(プロフ) - 頑張ります!!今から分岐に向けてラストスパートです!!! (2019年10月16日 17時) (レス) id: 94eb334c47 (このIDを非表示/違反報告)
ぽこぽん(プロフ) - 続編来ましたね!!Hrryさんの小説、大好きです!此れからも楽しみにしてます!無理しない程度で頑張って下さいね♪v(*'-^*)^☆ (2019年10月13日 21時) (レス) id: b37f06fbda (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Hrry | 作成日時:2019年10月13日 15時

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