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大事な仲間 ページ32

鯵「えっ…あ、ありがとうございます」

一人一人と話している時間は生憎無い。
一言二言交して次の人だ。
突然始めた私の奇行に唖然としながらも
全員が受け取ってくれる。もちろん陣平や研二も。
2人に至っては私の思いつきの行動などいつもの事とありがとなー、と、おー。という返事で終わったが。

「研二、まだ終わんない?」

何故こんな行動に出たか。
それは感謝しているのが八割で日頃のお礼という名目で、だけれど残りの二割は研二の終わるのを待つ時間つぶしでもあった。
私の仕事が終わってからかれこれ30分。
別に何時間だって待てなくはないけれど
手を出して手伝っていいものかと悩む。

萩「ん、もちっと。先帰っとく?」

外はまだ明るい、1人での行動だって
以前と比べれば格段と出来るようになってきた。
リハビリと称して誰かの待つ家へ一人で帰る時もある。
申し訳なさそうに謝る研二にそうする、と言えばキーケースから家の鍵を差し出される。
合鍵作っとけばよかったなと笑う彼に作ってこようか?と尋ねれば
寄り道せずに帰んなさいと母親のようなことを言われる。

萩「今度一緒に作りに行こう、あって損は無いし。
だから今日はちゃんと真っ直ぐ帰ってね
帰りついたら連絡して」

母親か、と心底思う。
けれどそれは口には出さずに置く。
両親や父、母、そういうワードを無意識でも
意識的でもここにいる全員が避けているのを
私は知っているから。
気を使ってもらっている私がそれを壊すのは良くないだろう。
心配そうに頭を撫でてくる研二にわかった、とだけ返して
既に荷物を詰めてある鞄を手にとって帰路につく。
まだ明るい空に少しだけホッとしながら
ちょっと寂しい帰り道を歩く。

ひとり→←大事な人



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Hrry(プロフ) - ほのかさん» 幸せにします!絶対!ありがとうございます!! (2019年10月19日 19時) (レス) id: 94eb334c47 (このIDを非表示/違反報告)
ほのか - 夢主さん、頑張って!胸がギュってなるぅ・・・。凄く切なくなるけど、幸せなラストを待ってます!Hrryさん、頑張ってください! (2019年10月16日 22時) (レス) id: 949a14dbde (このIDを非表示/違反報告)
Hrry(プロフ) - 頑張ります!!今から分岐に向けてラストスパートです!!! (2019年10月16日 17時) (レス) id: 94eb334c47 (このIDを非表示/違反報告)
ぽこぽん(プロフ) - 続編来ましたね!!Hrryさんの小説、大好きです!此れからも楽しみにしてます!無理しない程度で頑張って下さいね♪v(*'-^*)^☆ (2019年10月13日 21時) (レス) id: b37f06fbda (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Hrry | 作成日時:2019年10月13日 15時

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