せーんぱっ！？2

先輩以上 ページ4

諸｢嬉しいだけだと思うよ、男ってそんなもんだ。｣

俺がそうな様に、とは言わなかったけれど。
そう、なのかな、と呟く彼女に念押しする

諸｢そうだよ、で、普通だっけ？
そうだな、意識するなは無理だろうけど…
いっそ言ってしまえばいいんじゃないか｣

｢言うって？｣

諸｢Aはあいつらに嫌な思いさせんのが
嫌で普通に戻ろうとしてるんだろう？｣

｢うん、避けてるみたいになりたくないから｣

諸｢じゃあ言えばいい、
意識してしまっているから普通の態度は取れないって｣

喜ぶと思うぞ、と付け加えたら全力で拒否された。

諸｢好きな人にちゃんと男として見られる
それ以上に嬉しいことなんてないんだけどな｣

俺だったら嬉しいと叶うわけもないような
未来を想像して苦笑してしまう
きっと今この気持ちをうちあけても
彼女はきっとちゃんと受け止めてくれる
ちゃんと考えを出してそれを伝えてくれる
脈ナシだろうがなんだろうが長い時間をかけて
俺を見て、覚悟を決めてくれるだろう
同じ職に就く人間だ、しかも俺は公安警察。
その全てを含めて決めるだろう

けど、今はこのままで。
離れてしまうことも今のように戻れなくなるリスクも今は背負いたくない。
だからこそ萩原だってあんな回りくどく牽制を
かけたわけなんだろうし。

諸｢俺が言ってやろうか？｣

これは意地悪だろうか
けれどあの二人の慌てふためく瞬間を
見てみたいと思う俺は性格が悪いらしい。
電話越しでえぇ、と悩むAに今無性に
会いに行きたい。
恋愛というのは惚れた方が負けらしい。
可愛らしい彼女に負けるのならそれはそれで
ありかもしれない、と思う俺は重症だな。

諸｢俺から言っておくから自分でも言いな
大丈夫、お前が思ってる大変な事態にはならないから｣

別の意味ではなるかもしれないが、
という言葉はあえて言わない。
頼られるというのは案外悪くない。
また何かあったらかけておいで、と
一方的に電話を切ってきっと慌ててるであろう
Aを想像して笑う。
できれば目の前で見ていたかったな

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