せーんぱっ！？2

好きな人 ページ26

｢ん、それもあるんだけど
強く、ってなんだろうって思った。
筋肉ムキムキで航さんをも持ちあげれる人？
それとも誰になに言われたって気にしない人？
犯人の弾丸を受けても血すら流れない人？
強い、ってなんだろうって考えたんだけど｣

松｢2番目以外のふたつは強いというか凄いだな｣

｢たしかにそうかも。｣

俺ら同期5人組は誰に聞いたって
バラバラだとよく言われていた。
それは個人個人に得意不得意があって
その上に性格があるわけなのだから仕方ないが。

例えばゼロは誰にでも平等な上辺の接し方ができる
心の中ではどうかは知らんが、という意味で上辺だ。
それに対して松田はそれが出来ない。
まぁある意味誰にでも平等(不機嫌)な対応をとることはあるが。
裏表がないと言えばだいぶ聞こえもいいけれど。
伊達やゼロは秀才だ。頭がいいだけでなく
考え方だって凡人には思いつかないことばかり
それに対して俺や萩原なんかは普通だ。
可もなく不可もなく普通でしかない。萩原には失礼だけれど。
松田や萩原は危険物、爆発物への専門的な知識がえげつないほどだ。特に松田。
それに対してゼロや俺は全くと言っていいほど。
警察学校時代は2人が俺らの講師だった。
足りないところをお互いに補って、というのは残念なことにないけれど
自分の得意なものや夢を仕事にしたのだ。
個々の力で。

それと同じように役目だって違う

泣いているAを泣き止ますのは
いつだって萩原で
落ち込んだAを励ますのは松田で
相談に乗るのは伊達で
説教をするのはゼロだった。

俺はいつだってそれを見てるだけだった。
今だってそうだ。
トラウマを抱えたAを励ましてそばにいて支えているのは松田だ。

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