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byG-DRAGON ページ8

[GD side]

その日は用事があって、SMに来ていただけだった。ほんとうにちょっとした用事。会長さんに呼び出されていただけ。


なんで他の事務所のトップが他の事務所のアイドルを呼び出すのかは謎だったけど。まあ、最先端のSMだしなってそんなに考えずに終わった。





そんで、社長室に行くときだった。


たまたまマネージャーが荷物を車に忘れて。


それでそのことを思い出して「ここで待っててくれ」って言ったのがたまたま練習生用の階で。


ほんとにたまたま、なんとなくふらふらしてた。






そしたら聞こえたんだ。

何もかも包み込むような透き通って伸びていく歌声が。




俺は今までの人生で、特にすんごい悪いことをしてきたわけでも無いのに、こころが全部洗われていく感覚。無に戻る感覚。気を抜くと涙が出そうになるような。


ぼーっと聞いていたらいつのまにかその曲は終わって、今度は男性が歌うようなラップ調の曲になった。







さすがSMといったら聞こえが悪いだろうか。本場の人間が聞いたらちょっと耳に嫌に残るような特徴で歌っていた。ああ所詮はそうか。


身を翻そうとしたら、その部屋から講師らしき人が出て来た。


その人が俺を見て、「わあ」とか驚きながら言って足早に去って行った。

「わあ」じゃねえよ。挨拶!!




そんなことを思いながらマネージャーに電話をかけようと携帯を出したとき、あの少女の声が聞こえた。


また同じ曲を歌い始めた。







俺はその部屋のドアを振り返って見つめるしか出来なかった。ちなみに、昨日買ったばかりのその携帯を落としながら。


やー違う、そうじゃなくて、はっきり言おう。圧巻だった。歌い方を大きく変えて、自身のリズムに乗ってさっきの嫌な特徴がすべて消えた歌い方だ。



これはこの子の才能なのか。

講師の前ではおとなしいラップで響くものがなかったのに。独学だろうか。いやここまで来たらギフトだろうか。すこぶる興味を持った。




あああ、違う、違うんだ。俺はそんな綺麗なイイコチャンじゃない。



その前に俺が感じたのは“嫉妬”だ。


紛れもなく。嫉妬。









自分より相当年下であろう少女に、もう何年も音楽をやってきたこの俺が素直に抱いた感覚は、、








とても醜いものだった。

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???(みなみ)(プロフ) - はじめまして(=・ω・)ノXフォローさせて頂きました (9月16日 12時) (レス) id: 38bc2a156b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:MiiA | 作成日時:2021年2月28日 4時

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