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多分それは、その悪意ある言葉にどこかで納得している自分がいるから。
私は紅一点という体制がヒットするかどうかの前に、世間に受け入れられるかどうかという大きな壁が存在することを知っていて、その壁がきっと私たちの成功を遠ざけているなんて事、よく考えたら納得するしかないってこと、最初から分かっていた。
どれだけ、私の実力があろうと、素晴らしいステージを見せようと、オッパ達に愛されていようと、そんなこと関係ないんだ。
“邪魔だ”という言葉に否定したくても、オッパ達の前では大丈夫だと笑っていても重くのしかかる。どこに行ってもついてくる亡霊のように、何をしてもただただ自分の存在が申し訳なくなってしまう。
自分でもそのヘイトを肯定してしまっているからこそ、何も言えなくなってしまう。
テヒョンイオッパだって、私よりは少なくとも受け入れられてはいるが、こっそり寂しそうな、皆でいるのにまるでひとりぼっちだというような雰囲気を出しているときがある。
そして、頭ではそうじゃないって分かっていてもきっと心のどこかで後ろめたくそのヘイトを肯定してしまう自分がいるのだろう。一緒に練習してきたのは嘘じゃない。けれど、メディアに映ることもなく、まるでいないものとして端に寄せられる。
なんともないと思っていたのに、いつの間にか大きな暗闇に変わっている。
その点は私はギリギリまでアングラの活動をしていたから私のほうがマシだったのかもしれないと、そう思ってしまう。そんなこと思ってはいけないのに、自信が否定されること自体、甘んじて受け止めてしまうんだ。
それでも、自分のことよりも何よりテヒョンイオッパの押し殺したように傷つく顔が鮮明で忘れられない。
ある時、“6人でバンタンだ”なんて書き込みを見て、私は焦ってテヒョンイオッパの気をそらそうとした。オッパには笑っていてほしかった。どんなに私が傷つこうとも、皆には幸せでいてほしかった、、のに、、
否定するように強くある目ではなく、一瞬で自分でも分かっている、と肯定して傷ついた顔をした。
唯一の幸いは、他のメンバーには見られなかったことだ。
いや、見られていたところできっと気付かれない。
私たちにしか分からない。
ある意味トクベツな、出来てほしくなかった、一種の絆のように思えた。
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???(みなみ)(プロフ) - はじめまして(=・ω・)ノXフォローさせて頂きました (9月16日 12時) (レス) id: 38bc2a156b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:MiiA | 作成日時:2021年2月28日 4時