せーんぱっ！？

後輩兼先輩 ページ10

へべれけという言葉がお似合いを通り越した
ただのタチの悪い酔っ払いに成り上がった
後輩を見て微笑ましく思う
好きです、というような、憧れてます、
とばかりの態度や視線であったことは
以前から分かっていたけれど口には出さず
目で、態度で語っていたものを
今は隠すこともせず開き直ったように
好きだのなんだのと。
それが微笑ましくて仕方ないのはやはり
俺自身が兄というポジションを獲得しているゆえか。
そして単純に男側の対応が面白い。
赤くなったり焦ったり。
まぁ焦るほど肝の座ってないやつはここには居なかったが。
まぁ、もっと別な感情のやつはいたけれど。

｢じんぺーさんの顔が好き｣

松｢わかったって！！しつけぇ！！｣

｢研二さんの優しいところが好き｣

萩｢うん、俺もAの素直なところ好きだよ｣

｢ヒロさんの照れてる顔が好き｣

諸｢大分酔ってんなぁ｣

｢航お兄ちゃん好き｣

伊｢可愛い妹が出来たもんだ｣

｢零さんのかっこいいところ好き｣

降｢なんか僕だけ抽象的じゃないか？｣

何度目かの好きを貰ったところで
それに真面目に返すやつが萩原のみとなった。
松田に至っては褒められているのに怒る始末だ
褒められるのは素直に嬉しいし
後輩に憧れてもらえるのもそれはそれで嬉しい

伊｢だがなぁ、誰にもで言ってると勘違いされるぞ？
お前は自信もっていい程にいい女だよ
あんま誰彼構わず言うなよ｣

嬉しいが、誰にもで言ってるとなると別だ
嫉妬心やらなんやらではなく、単純なる心配
男ってのは単純でそこまで褒められたら
悪い気はしない上に自分に気があるのでは、と
勘違いするやつだって出てくるだろう
それで傷付くのはAだと自覚して欲しい。

｢…誰にだっていうわけじゃないよ…
ちゃんと好きな人に言ってる。みんなしか
言ったことない、友達も好きだしそれは言うけどこういう｢好き｣は初めて言った、んだもん。｣

後輩@かわいい。→←せんぱーい！！！

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