せんぱいってよばないで ページ50
なにそれ。
なにそれなにそれなにそれ。
やばい、いまわたし、やばい。
語彙力？皆無だ。あるわけない。
というかあんなことを聞いてパニックにならないわけがない。
早足で駆け抜ける廊下には人がいなくて
今はそれが好都合だった。
だってこんな顔、見せる訳にはいかない
誰にも、こんな赤面など見せたくない。
ことの原因はあの名前も知らぬ彼女だ。
『萩原さんと話したの。
私があなたに言ったこと、話したのね
怒られてしまったわ、余計なこと言うなと
これも余計なことかしら？
けど腹立つから暴露しちゃお』
そう言って笑った彼女はどこかスッキリした
そんな表情で。
何を言われても私はあの人たちのそばにいると決めたのだと心構えて次の言葉を待ったけれど
その次の言葉は私の考えの斜め上すぎて
心構えなどなんの意味もなかった。
『萩原さん、あなたが好きだからそばにいるって
だから、それを壊さないでくれって言ってた
松田さんも同じだから、俺達の意思だから
そう言ってたわよ。』
全く、モテる人は大変ね
そういった彼女は笑ってどこかへ立ち去って言った。
最後のあれは皮肉で嫌味だと気がついたけれど
そんな事はどうだっていいんだ。
好き？？私が？？
私も好き、大好きだ、それは、それで、でも
『好き』って意味が、違うんじゃ？？？
その好きに、私が簡単に好きと返していいのか？？
憧れ、尊敬、わたしもこうなりたい、
そんな好きじゃないことくらい私にもわかる
関係性を消したくないのは私もそう。同じ。
けれどその先を望んでいるのは？
わたしは、わた、
｢ああああああああああああ！！！！！！！！｣
パニックだ。
人からの好意など今まで1度も、
そう1度も触れたことがなかった。
理由などあの飲み会で話した事が全てだけど
それが、一気に二人？しかも先輩？
佐｢ちょっと！！A！！
廊下で叫ばないでよ！うるさい！！｣
ガラリと、ドアを開けたのは美和子で。
あ、ここ捜査一課の部署の前かと気がつく。
佐｢って、何その顔、やばいわよ
ってなんで泣いてんの！？はぁ！？｣
こっちに来なさい！と招かれた捜査一課の
一室には他の刑事も沢山いて何事かと見られている。
けれどそんなことを気にする余裕などない。
｢み、みわこぉぉ｣
罪悪感でいっぱいだ。
私の好きをどんな気持ちで2人は聞いていたのだろう
私が抱きしめて、と強請ったのをどんな気持ちで受け入れてくれたのだろう
私、酷いことしてない？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 124人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽくぽ(プロフ) - なんでだろ、先輩はかわいいでガチ泣きした‥‥設定好きです頑張ってください！ (2019年10月15日 0時) (
レス) id: 9044165cab (このIDを非表示/違反報告)
Hrry(プロフ) - ほのかさん» 頑張ります！萩原さんトップバッターですね(*'ヮ'*) (2019年10月13日 14時) (レス) id: 94eb334c47 (このIDを非表示/違反報告)
Hrry(プロフ) - ぽこぽんさん» ありがとうございます(´；ω；｀)その順番で書かせて頂きます！！ (2019年10月13日 14時) (レス) id: 94eb334c47 (このIDを非表示/違反報告)
ほのか - 私もその順番希望です!今から読めるのを楽しみにしてます♪頑張ってください! (2019年10月13日 11時) (レス) id: 949a14dbde (このIDを非表示/違反報告)
ぽこぽん(プロフ) - 萩原さん、松田さん、諸伏さんの順でどうでしょうか？私はそんな順番で読みたいですね！参考までにしていただければ嬉しいです！頑張って下さい！楽しみにしてます！ (2019年10月13日 8時) (レス) id: b37f06fbda (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Hrry | 作成日時：2019年10月4日 19時
