影山君と青城マネちゃん[HQ]

12*ベージュの猫っ毛 ページ13

入学式から数日経てば学校にも慣れてくる。

友達が貸してくれた本を読んでいるも、隣の国見はねむそうな顔してるのが気になる。
いつも眠そうで夜更しでもしてんのかな？

机に伏せて上目遣いされてる…


｢ねー、Aの髪って自毛？｣

｢一応自毛。
家の家系大体こんな色で猫っ毛。｣


スマホの画面を国見に見せた。
画面にはお母さん。他にもばあちゃんの写メ。

｢みんなベージュだ。
おばあちゃんはハーフ？｣

｢クォーターとかだったかな？もっと上の方に外国の人いるらしい｣

｢へぇ〜そう言うのいいね。
俺真っ黒だからちょっと羨ましい。｣


センター分けの髪型と艷やかな黒髪。
羨ましいって思うのはこっちもだ。

私は目の色だって髪に近い濃い目の茶色。

加えてこの身長もあり目立つ。

クラスの女子では背が1番高い。
バレーしている時は有利なんだけど日常生活では小さい女の子が可愛いなってよく思う。


｢そう言ってもらえると嬉しい。
髪含め自分の外見コンプレックス多くて。」

｢及川さんよく言ってるけど発育の暴力だもんね。｣

発育の暴力が二つ名になりつつある。
セクハラだけど胸は…無いよりはいいんじゃないかなと思う、最近は。


｢無いよりは有るに越した事はないって思うようにしてる。｣

｢そう言えば今日黒タイツ？俺好きだよ。｣

｢…飛雄にスカート短いって言われて…
長さは可愛いから変えたくないし、でも嫌な思いさせたくないからね。｣


我ながら単純だと思う。言われた次の日に黒タイツ履いてるんだから。
…暖かいし、夏は夏で考える。

伏し目がちな顔でこっちを見てくるけど…


｢…なによ？｣

｢影山そんなこと言うの意外。
恋愛とかするイメージが沸かない。｣

｢バレーの事しか考えてないだろうけど、飛雄カッコいいよ。」

｢ふーん｣

｢国見こそモテモテらしいじゃん？
彼女作らないの？｣

｢今はいらない。｣


中学の時は女子バレー部の子と付き合っていたけど、最近はそういう話を聞かない。

国見とはバレー部つながりもあるし中学からクラスも一緒だから普通にだらだらと話をすることが多々あった。

言葉回しがうまいのかポロッと言わなくていいことを言ってしまう事もあったけど国見だからセーフ。

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