【HQ】乙女ゲームじゃあるまいし！【オールキャラ】

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｢……長くないか｣

｢すみませんあと少し握らせてください｣



おかしい。

もう30秒どころか1〜2分くらいは余裕で経過した気がするのだが、一向に通知が来ない。



そしてさっきから一般生徒の視線が刺さる。
そりゃそうだよね。知らない女子とウシワカがすっごい長い握手してるとか見るしかないよね。



｢…………｣

｢…………｣



それからさらに3分ほど過ぎ。



｢……ごめんなさい、ありがとうございました｣

｢ああ｣



そっと手を離すしかなかった。本当ごめん牛島さん。全校生徒の注目の的ですわ。



スマートフォンを確認してもミッション達成のお知らせは来ていない。



ビンタはよくて握手はダメか。

どういう基準なんだろう。つらい。




｢……どうすればいいんだろ…………｣


重い二酸化炭素を吐き出した、その瞬間。



ぐうううう。




困り果てた手の中で携帯が音をたてるのと、私の腹の虫が鳴いたのはほぼ同時だった。



｢……腹が減ったのか｣

｢うっ……｣



そういえば強制ワープのせいで朝何も食べてない。



｢………………｣



牛島さんは意思の強そうな瞳でこちらを見たあと、身体の向きをぐるりと変えた。




｢あ、あの牛島さん｣

｢待ってろ｣




えっどういうこと？


状況が理解できない私には、つかつかと歩いていく牛島さんの背中を呆然と眺めることしかできなかった。


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