【HQ】烏野の「姫烏」短編集 (ページ22)

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Happy Birthday！ 3 ページ22

「はい。誕生日プレゼントね。……相変わらず徹くんの趣味ってわからないから、喜べるものである保証はしないけど」
「…………！！ありがとう！！Aちゃんから貰えるならなんでもいいよ！開けていい？」
「あっそれはダメ。家に帰ってからで……」
「えっ」

眠気で大分うとうとしつつそう告げると徹くんの驚いた声が飛んでくる。それにソファーの背に身体を預けてから小さく呟いた。

「ここで見られたら恥ずかしいから……家に帰ってからにして……」
「…………あーもう！なんでそんな可愛い事言うの！？そういうとこだよAちゃん……！！」
「うぐっ、徹くん、く、苦しい……」

突然思い切り抱き付かれて思わず呻き声を上げる。徹くんは身体も大きいし力もあるんだからその辺り加減してくれればいいのに……！と、眠たさで抱き付かれた事よりもそっち側に意識がいってしまった。
すると徹くんの腕の力が緩み、そのまま緩く髪を撫でられる。

「……本当ありがと。疲れてたのにね」
「いいえ～……年1回の事だしね……」
「ありがとね……」
「………………」

お礼を言う徹くんの体温と髪を撫でる手付きに眠気が限界に来た。ちゃんと祝えた安心もあって、私はそのまま緩やかに意識を手放してしまった。

─────────

「……あれ？Aちゃん？」

普段ならいい加減に離れろと怒りだす頃なのに、何も言わず黙っているAちゃんに声をかける。が、返事がなくてそっと顔を覗き込むと、既にAちゃんは気持ちよさそうに眠っていた。……えっ寝てる！？

「…………相当眠そうだったもんな……本当ごめんね」

こちらに身体を預け静かに眠るAちゃんの頬を撫でると、Aちゃんを起こさないようにそっとソファーの端に置いてあったブランケットを取って、それを広げ被ってそのまま一緒にソファーに横になった。
見下ろすと可愛い寝顔が目に入って、ついたまらなくなってAちゃんを抱きしめてしまう。

「……これはさいっこうの誕生日プレゼントだね」

幸せすぎると思わず頬を緩めて暫くこの幸せを噛みしめてから、腕の中で眠るAちゃんの額にそっとキスをして、テーブルに置いてあった照明のリモコンを手に取ると電気を消す。

「おやすみ、Aちゃん。……本当にありがとう」

そう告げると再度Aちゃんを抱きしめなおして、俺もそのままゆっくりと眠りについた。