代表決定戦・2日目終幕 5 ページ7
一くんの言葉に笑みを返す。本当一くんは男前だよなあ、としみじみ思いながら、私も含めた皆の目元を冷やす為のアイスノンを用意して一緒にテーブルへ持って行く。テーブルへお茶をそれぞれの前に置いてから私も2人と向かい合わせになるような形で座ると、徹くんが思い出したように声を上げた。
「───あ!そういえば!試合後と言えば、Aちゃんウシワカちゃんと何喋ってたの?」
「いきなりそれ聞く?」
いきなり不機嫌な様子になる徹くんに、カップへ伸ばしかけた手がぴたりと止まる。いきなりその話題か……!
「?ウシワカとも話したのか」
「う、うん。徹くんの所に行く前にちょっと」
「そーなんだよ。しかも俺が来た瞬間にウシワカちゃん「それは今度改めて話す」って話切ってたしさ……何の話をしてたの?改めて話さなきゃならない話題って」
一くんが目を丸くしてこちらを見るのに頷いていると、徹くんがじとりとこちらを見た。忘れてくれてたらそのままスルーしようと思ったのにな〜……と思ったけど、これだと言っても言わなくても待ち構えているのは地獄だろう。どっちでも結果が同じなら、一くんがこの場にいる分幾らか状況はマシかもしれない。小さく溜息をつくと私は口を開いた。
「───告白された」
「───は?」
「───え?」
案の定、一旦2人は何を言われたのかわからない、といったような表情で間抜けな声を上げた。
「だから、告白されたんだってば。私も未だに何かの間違いだと思ってるんだけど、私の事好きらしいの」
『──────…………………』
まさしく呆然。といった様子で2人がこちらを見て完全に固まってしまった。だよね、私だって言われた時固まったもん。同じ反応になるのは仕方がない。
「─────Aちゃん」
「ん?」
「アイスノン借りていいか」
「う、うん、目元冷やしたほうがいいと思って持ってきたやつだからいいよ、どうぞどうぞ」
「すまねえな」
「あ、えっと、徹くんも目元冷やしておかないと明日腫れるよ」
「え。あ、うん」
やや間が空いた後、一くんがアイスノンを要求したのにすぐに手渡すと、徹くんにもその流れでアイスノンを渡す。2人ともそのままアイスノンを目元に当てる。
私は微妙な空気が流れる中、微妙な気持ちで2人を交互に見て───数分が経過した頃。
『─────はああああああ!?!!?!??』
2人が合わせた訳でもないのに、完全に同じタイミング、同じ反応で凄い勢いで叫んだ。
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作者名:さくら | 作成日時:2020年11月4日 18時