代表決定戦・2日目終幕 4 ページ6
あの後学校へ帰って、明日の白鳥沢戦へのミーティングを入念に行ってから帰路へと着く。
潔子先輩と仁花ちゃんと別れて、その後家の近くまでは忠くんと蛍くんと帰って。家に着いた頃には随分と遅い時間だった。
家に入る前に徹くんの部屋の明かりを見てみる。暗い、という事は徹くんはまだ帰っていないようだった。
「……………………」
そのまま家へ入ると、リビングに鞄を下ろす。
「──あ。そうだご飯……今から作るのめんどくさいな……」
普段であれば徹くんが乗り込んでくるから、何か作らないといけない所だけど今日はそれがない。今の時間から自分の分だけ作るのも面倒だな、と思うと私は近くのコンビニに行く事にして財布を持って再度家を出た。
─────────
コンビニから再び帰路に着く。家の近くの角を曲がった所で、徹くんと一くんの姿を見つけて足を止めた。
「───あ……」
「Aちゃんじゃねえか」
「どうしたのこんな所で」
「あ、うん、ご飯コンビニに買いに来た」
「1人で?こんな時間に外に出たら危ないでしょ、ほら帰るよ」
そう言うと徹くんは当たり前のように私の手からコンビニの袋を取った後に私の手を取る。それに反射的に私は空いた反対の手で一くんの手を取った。それに2人がぎょっとする。
「はっ!?」
「!?なんだどうした!?」
「…………一くんも!うちでお茶でも飲んで帰って」
「ええええちょっとちょっとこれどういう状況!?」
「お、俺もよくわからん!」
「いいから行くよー」
「お、おう!?」
「えっ?うわっ、ちょっとAちゃん!?」
私は問答無用で慌てる2人をそのままずるずると私の家へと引っ張っていった。
────────
「Aちゃんなんで岩ちゃんまでー!」
「なんだ及川文句あんのか!?」
「そりゃ私が引っ張ってきたからだよ、私さっき一くんとは話してないし」
暫くして私の家のリビング。テーブルに頬杖をついてふてくされる徹くんを一くんが睨み付けていた。私は苦笑しつつ言うと、お茶を用意しながら2人の顔をちらりと見た。さっきは暗くてわからなかったが、2人とも目元が赤い。それにちくりと胸が痛んだ。
「あ?お前試合の後Aちゃんと話したのか」
「うん、試合終わった後に少しね」
「一くんにも声かけようと思ったんだけど……あの時余り時間がなくて。だから今無理矢理来てもらったんだ、ごめんね疲れてるのに」
「問題ねえよ、Aちゃんの呼び立てならいつでも行く」
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作者名:さくら | 作成日時:2020年11月4日 18時