どう思った? 3 ページ14
なんだかんだでスキンシップが多いから慣れたと思っていたのに、自分の反応に自分でびっくりする。そんな事を考えていたら余計に顔に熱が上がった気がして、私は枕に顔を埋め直した。
「………………」
2人して黙りこくって暫し時間が経過する。声を掛けられるのも困るけど、全く徹くんがだんまりなのも返って怖い。っていうかなんなのこの状況。そもそも何でこんな事になったんだっけ?もうわからなくなってきた……!
時計の秒針の音がやけに大きく聞こえてくる。緊張が酷すぎて全く寝れる気もしない。こっちは明日決勝戦なのに酷い、そんな事をぐるぐると考え続けてまた暫く時間が過ぎる。
そしてはっと気付いた。なんだかんだで結構な時間が経ったような気がする。もしかしてそろそろ諦めて寝てくれたりしたのでは、と。
そう思ってほんの僅か、ちらりと顔を徹くんの方へ向けてみると────
かなりの至近距離でがっつりと徹くんと目が合った。
「!?!?っ、わっ!?」
「やっとこっち向いてくれた〜」
「な、なんでそんな至近距離にいるの!?」
「え、Aちゃんいい匂いするなあと思って髪の香りを楽しんでました」
「変態か!!っていうか今日は徹くんも同じ香りするでしょ!!」
驚きすぎて動きが止まった隙を徹くんは見逃さず、そのままあっさりと自分の方へと身体を反転させ私を抱き寄せて満足気に笑う。私はと言えば更に慌てて声を上げるも、返ってきたのはこんな返事で余計に恥ずかしい、最悪すぎる!ツッコミを入れると徹くんはきょとんとした後ゆるゆると首を振った。
「わかってない……わかってないなあAちゃんは。同じものを使っても全然違うの。ぜんっぜん!Aちゃんの香りの方が甘いもん」
「い、いやそれはないでしょ」
「違うんだってば。香り比べてみてよ!」
わかってないときっぱりと言い切られて困惑しつつ、そんなに違うのかと少し気になってくれば自分の髪を掬い上げてまず香りを確かめてみる。……いつものお気に入りのシャンプーとコンディショナーの香りだ。
で、確かめろと言わんばかりに顔の前に出された徹くんの髪に顔を近付けてみる。
「────あれ?確かに、少し違う……??」
「ほーらね!!」
嗅いでみた香りは確かに自分のものとは少し違った。男の人と女の人との違いなのか、と首を傾げると徹くんはドヤ顔で言い切った。
「同じもの使ってもこんなに違うんだ〜って思ったらついつい。これは堪能しちゃうでしょ」
916人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さくら | 作成日時:2020年11月4日 18時