【HQ】烏野の「姫烏」16 (完結) (ページ4)

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代表決定戦・VS青葉城西 4 ページ4

『！』

潔子先輩の言葉に息を飲む。それは私だけじゃなくて、周りにいたメンバーもだった。
自分達が勝つと言う事は潔子先輩の言う通り、青城が負けると言う事に他ならない。だからこそ見た方がいい、とまっすぐこちらを見据える潔子先輩はまさしく、気高い烏野の女王だ。

皆心の中でそれがわかってはいても、言葉として私に対して突き付けるのは酷だと思って、恐らくストレートには言わなかった言葉。
私はほんの僅かな時間、潔子先輩と見つめ合ってからしっかりと頷いた。

「────ありがとうございます。私、行ってきます」
「うん。任せたからね」

私の言葉に潔子先輩が柔らかく笑う。あまりに綺麗に微笑んだのに思わず目を見張っていると、横で仁花ちゃんが突然胸を押さえた。

「うっ…………無理…………清水先輩、好きです……」
「えっ」
「！？お、俺も！！俺も好きです潔子さん！！！」
「ああ！？龍てめえ抜け駆けすんな！！俺もです潔子さん！！！！」

仁花ちゃんが呻くように突然の告白をしたのに一瞬皆の動きが止まる。その後弾かれたように龍之介先輩と夕先輩が潔子先輩に告白しだしたのを遮るように私は潔子先輩の腕に抱き付いた。

「残念でした！！今この瞬間潔子先輩を一番好きなのは確実に私ですー！！」
「！Aちゃん……」
「ったくお前らは本当に……まあ、これが烏野だな」

少々頬を染めて困ったように私を見る潔子先輩に、大地先輩が楽しげに笑った。それに皆も釣られて笑う。一頻り笑い合ってから私は潔子先輩の腕から離れた。

「───じゃあ、行ってらっしゃい」
「Aちゃん行ってらっしゃい！上で見てるからね！」
「はい！行ってきます！」

潔子先輩と仁花ちゃんが送り出してくれるのに頷いて返事を返すと、次の瞬間両腕をがしっと掴まれた。驚いている暇もなくそのまま引っ張られる。

『っしゃー！！！！行くぞオラーっ！！！』
「わーっ！？！！龍之介先輩、夕先輩ーっ！？」
「あーあーあー……本当あいつらは騒がしいな～」
「おいこら姫烏様こかすなよー！？」
「っし、俺たちも行くぞ！！」
『アス！！！』

龍之介先輩と夕先輩に思い切り引っ張られて思わず声を上げる。背後から呆れたメンバーの声と、大地先輩の力強い声と、そして気合の入った声が聞こえて来た。
そのまま3人で一旦ネット前に立つ。一足先にコート内に並びかけていた青城のメンバーと目が合った。