【HQ】烏野の「姫烏」16 (完結) (ページ24)

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代表決定戦・VS青葉城西 24 ページ24

及川のサーブはコントロールより威力重視になっている様に見える。ノータッチ決められるよりは、どんな形であれ触って上げる方がずっといい……こっちだって生川や梟谷のサーブを散々受けてきたんだ、

大丈夫。戦える」

静かに鵜飼コーチが言い切った次の瞬間、再び徹くんから強烈なサーブが打たれる。それを大地先輩が反射的に上げた。

「大地さん！！」
「大地先輩……っ！！」
「よしっ！」

上がった、と一瞬安心したのも束の間。上がったボールはそのまま青城側へと帰り、金田一くんがダイレクトで叩く。それを間一髪龍之介先輩が右手で反射的に拾い上げた。

「田中ナイスだァア！」
「影山！」
「旭さん！！」
「旭！！」

龍之介先輩が拾い上げたボールは飛雄くんが旭先輩へと上げる。旭先輩が強烈なスパイクを放つが、それは貴大先輩が拾い上げた。

「！あんなのよく……！」

今のは相当強烈だった筈なのに、と思わず驚きから声が漏れた。そして、そこへ狂犬さんと金田一くんが入ってきている。上がったボールは徹くんからどちらへ上がるか、と息を飲んで見つめていると。

それはそのどちらでにでもなかった。後ろから、一くんのバックアタック───！！

「────！！」
「…………！」

『ッシャアアア！！』

そのバックアタックは綺麗に決まった。そして鳴り響くホイッスルの音。第2セットは青城が取り返した形で終了した。

その結果に思わず緊張から解き放たれて私は大きく息を吐いた。すぐにコートチェンジだ、呆けている暇はないと私は立ち上がり、戻ってくる皆を迎えた。

────────

「負ける気なんかさらさらない」
「……んなもん当たり前だろうが」

束の間の休憩、水分補給をしながらぽつりと呟いた俺に、横にいた岩ちゃんがぽつりと呟いた。

「まあ、そりゃそうだわなあ……俺達はここで負けたらそれこそ終わりだ」
「まさしく崖っぷち、ってやつだな」

それにまっつんとマッキーもさらっと呟く。この2人いつもいつもその緊張感のある「崖っぷち」を軽く呟きすぎじゃないの、と思いながら俺は小さく息を吐いた。

「……見てくれてますしね。こんなに近くで」

渡っちの静かな呟きにそれぞれが烏野の方へと視線を向ける。ちょうど烏野も集まって話をしている所だった。Aちゃんが慌ただしくドリンクとタオルを配りながら烏野の奴らに声をかけていっている。全く持って羨ましいやら腹立たしいやらだ。それ、してもらうの本当はこっちなんだからな。