代表決定戦・VS青葉城西 15 ページ15
「…………はあ。本当そういうとこお姫サマはお姫サマだよね」
「う」
「───ま、どうせ「皆そんなの承知」デショ。気に入らないけど」
「へ?」
少々不機嫌に言い放って蛍くんはすたすたとWUゾーンに戻って行ってしまった。間抜けな声を上げてそれを見送った私に孝支先輩が笑う。
「本当月島は素直じゃないよなー!っし、じゃあ行ってくる!」
「!は、はい!孝支先輩、行ってらっしゃい!」
「おう!」
笑う孝支先輩とハイタッチをして見送ると、横で武田先生と鵜飼コーチが揃って笑った。
「「皆そんなの承知」。つまり、「皆」なのでそこには月島君も含まれてますね」
「!」
「勝つのは烏野だが、お前に青城を応援するななんて言う奴は月島を含めて誰もいないって事だ。多分澤村辺りからも言われただろ」
「!は、はい」
二人の言葉に目を丸くしながら頷いていると、武田先生が更に笑みを深くする。
「月島君はさっき敢えて言ったんだと思いますよ。気にするなって、如月さんに意思表示をしておきたかったのかもしれませんね」
「気に入らない、っていうのもしっかり意思表示してる辺り月島らしいけどな」
「………理解あるメンバーしかいなくて、本当に有り難いです」
武田先生の言葉を受けて鵜飼コーチが楽しげに笑った。それに改めて皆の優しさが滲みて呟くと、武田先生と鵜飼コーチは大きく頷いた。
『烏野のメンバーは最高ですからね(だからな)』
────────
孝支先輩が入って流れが変わる。孝支先輩の打ったサーブは狂犬さんの前に落ち、彼が攻撃に入るタイミングを失わせる。金田一くんの打ったスパイクを孝支先輩が拾い上げて、翔陽くんがブロックアウトで返す。ブレイクだ!
続く孝支先輩のサーブもまた狂犬さんの前。流石孝支先輩、上手い……!一くんが返したスパイクを大地先輩が安定のレシーブで拾った瞬間、飛雄くんと孝支先輩が場所をスイッチする。そして、そのまま孝支先輩の上げたトスを飛雄くんが強烈なストレートで打ち抜く。鮮やか!
「うおおおっし!」
『ッシャアアアア!』
「ナイスキー!!」
3連続得点に思わず拍手してしまう。今のは見事だ!
と、ここでホイッスルの音が響いた。青城の1回目のTOだ。慌ただしく立ち上がるとこちらへやってくる皆にタオルとドリンクを渡していく。
「お疲れ様です!孝支先輩凄いですね、狂犬さんの牽制!」
「だべー??もっと褒めていーぞー!」
「!?わっ!?わわわ」
「ま、またAの髪が……」
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作者名:さくら | 作成日時:2020年8月31日 23時