病院にて 20 ページ20
散々話して面会時間終了後、徹くん以外を見送ってから病室へ戻ると、とりあえず貰った連絡先を登録しつつ今日のお礼を返し、音駒の皆にも返信を返していく。
「うぐぐ、多い……！有難いけど多い……！！」
なんせ音駒の皆と白鳥沢と青城の6人、そして烏野のメンバーからもちらほら連絡が入っている。それを必死に返していると、ベッド横の椅子に座っていた徹くんがこちらを面白くなさそうに見ていた。
「…………いいんじゃないの適当で」
「そういう訳にはいかないでしょ……！心配して連絡してくれてるのに」
「いや、一部絶対そうじゃない感じの奴らいたでしょ。俺が返してあげようか」
「徹くん絶対失礼な返事するつもりでしょ。だめ」
徹くんに返事を任せるなんてとんでもない、確実に失礼な返事を返すに違いないと思うと呆れた視線を徹くんへ向けた。と、思いの外距離が近くて割と至近距離で目が合って思わずきょとんとしてしまう。
当然思い出されるのは朝の出来事であって────
私は振り払うように徹くんから視線を外すとお返事を返すのに集中しようとした。まずい、顔に出る……！
「───ねえAちゃん」
「何、今忙しいの見たらわかるでしょ」
「…………ふーん…………」
まずいまずいとにかく集中だ。そう思いながら必死に返事を打っていると、一層不機嫌な声音と共にひょい、と携帯を取られてしまう。
「！？ちょっと徹く────」
「そういえばさあ……Aちゃん俺に言ってない事あるよね？何か後ろめたい事でもあった？」
「？急に何の話？」
抗議の声を上げようとすると、突然不機嫌なままに言っていない事を言及され始めて首を傾げた。言っていない事？何かあったっけ？と少々考えを巡らせていると。
「──────図書館。ウシワカちゃんに会ってたんだね」
「─────ああ！！」
徹くんは笑顔だが目は全く笑っていない。図書館と聞いてそれか……！！と思い出した。そうかさっき牛島さんが話題に出しちゃってたな……！面倒だから黙ってたのに、返って面倒な事になったような気がしつつとりあえず説明する事にした。
「会ったって言っても、私殆ど寝てたし……起きた時にちょこっと話したぐらいだよ」
「会ってるのは会ってるじゃん」
「故意に会った訳じゃないし」
「でも隠してたじゃん」
「徹くん牛島さん関連煩いんだもん……故意じゃなくても色々言われるのめんどくさいよ」
「あっ何めんどくさいって」
「言葉の通り」
『……………………』
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作者名：さくら | 作成日時：2020年6月22日 22時
