【HQ】烏野の「姫烏」12(完結) (ページ39)

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東京合宿・day7 8 ページ39

「ありがとうございます、降ります」
「うん」

潔子先輩に返事を返すと私は身体をちゃんと起こす。随分と身体が痛い、どうも変な体勢で寝ていたらしい。
荷物を持ってバスを降りると、鵜飼コーチと武田先生がちょうど伝達をしている所だった。明日の部活は午後からという伝達の後解散となり、それぞれが帰路へと着く。
朝はゆっくり休めそうだとホッとする。戻ってきて一気に疲れが来た感じがする、今日はさっさと寝ようと思いつつ、こちらに視線をやっていた蛍くんと忠くんと目が合った。

「Aちゃん帰ろ！」
「あ、うん！……二人とも帰りも送ってくれるの？疲れてるでしょ？1人でも平気だけど……」
「僕達が送るって事で話ついてるから。行くよ」
「えっ？いつの間に……！？あっちょっと待って！」

一体いつどこでそんな話を付けたのかと聞く暇もなく、蛍くんはすたすたと歩いて行ってしまう。それを慌てて引き留めると、私はすぐ後ろにいた翔陽くんと飛雄くんを振り返る。

「───未開の領域。到達おめでとう！」
「！……ああ」
「まだまだこんなもんじゃねーからな！」
「……うん！」

変人速攻・改の成功を祝福すると2人とも不敵な笑みを返してくれた。2人に満面の笑みを返してから私は蛍くんと忠くんの所へと向かうと、今度こそ帰路へと着いた。

─────────

「今回の合宿は皆凄かったね、東京の皆も凄かったし、翔陽くんと飛雄くんの変人速攻・改も決まったのが見れたし……！シンクロ攻撃もかっこよかったな～！あっ蛍くんのブロックも冴えてたね～！烏野、進化の時！って感じ～！」
「なんなのお姫サマそのテンション……」
「ご機嫌だねAちゃん。音駒も楽しそうだったし」

帰路についたらなんだかハイテンションになってしまって、その気持ちのままに話していると蛍くんに微妙な顔で見られてしまう。忠くんはにこにこと話を聞いてくれている、流石忠くんだ。

「うん！楽しかったよ。音駒皆優しかったし……でも、烏野が一番落ち着くよ。私は「烏野の姫烏」だしね。……合宿に行っててつくづく思ったよ、私は烏野のこの先を皆と絶対一緒に見て行くんだーって。沢山強豪校倒して、全国にも何度も行って、いつか全国トップに立つかもしれない烏野のこの先を。なので……2人とも、頼んだよ？何度も全国、連れてってね」
『────！』

少々悪戯っぽい笑みを向けて言うと、2人とも足を止めて目を見張って黙ってしまった。それに私もきょとんと2人を見返す。