東京合宿・day7 6 ページ37
一次予選が勝ち抜けたらまた来れるんだ、と嬉しくなって目を丸くしつつも頷き返し、夏バテしてる場合じゃないな……！と思っていたらドライヤーの件で思わずがくっときた。もうこれ遠征と合宿では逃れられない案件になってしまったなあ……
そしてすかさず黒尾さんが割って入ってきたのに、一体どこで聞いてたんだと苦笑してしまう。
そしてそこに更に音駒メンバーが集まってきて大騒ぎになり、私はそのやり取りを散々笑いながら見ていた。その後は写真撮影大会も始まって、沢山の写真を皆と撮って、皆とも連絡先を交換したりして。
そんな事をしていたら時間はあっという間に過ぎて───いよいよBBQ大会もお開きとなり、宮城へと帰る時となった。
───────
「─────整列！！一週間、本当に！ありがとうございました！！」
『した──っ！！』
「こちらこそ！大した事も出来ませんでしたが、一週間マネさせて頂きありがとうございました……！」
荷物を纏めてバスの前に行くと、音駒の皆さんが既に並んで待っていて頭を下げてくれた。それに私も荷物を置くと慌てて頭を下げた。
「十分大した事だったよ、黒尾の我儘からスタートした事だったが、今では黒尾に感謝だな」
「いや……っ、本当に……！！このまま音駒に来てもらいたい……！！」
「もう終わりで残念すぎて……一週間って短いなあ」
「次、一次予選の後の遠征の時もどうか一つよろしく……！」
「あ、はい……！次の遠征の時にまだマネージャーがいないようだったら、その時はまた仮マネージャーとしてお手伝いしますね」
それぞれがかけてくれる言葉が嬉しくて、次もあればと返していると黒尾さんがニッと笑い返してくれる。
「仮？いーや、もうAちゃんはうちの大事な大事なマネージャーだ！もしこの後新しくマネージャーが来てくれたとしても、Aちゃんの音駒での地位は揺るがないぜ」
「うん、そうだね。本当にありがと、A。今後もよろしくね」
「───！」
黒尾さんと研磨くんの言葉に思わず言葉が詰まる。本当に大した事は出来ていないし、なんならとても気を遣って貰っていて何をしに行ったのかわからないぐらいだったのに、ここまで言って貰えて勿体無い、と思うと急にわっと寂しさが込み上げて────
ぽろりと一粒、涙が落ちた。
『！！！？！？！？！？』
『───────ああああああ！！！！黒尾(さん)と孤爪さん(研磨)が泣かせた──────っ！！！！」
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作者名：さくら | 作成日時：2020年6月10日 22時
