東京合宿・day6 5 ページ29
「そんな訳で、恐らく烏野には生川と森然が頭を下げに行くかと。こっちはなんだかんだでずっと練習のお手伝いをしてくれてるAちゃんにさせて頂くのが労いの意味でもベストだろうという判断です」
「えーっ!?今でさえ争奪戦なのにー?」
「ここにきて更に参加者が増えるなんて……」
そういえば昨日先手を打って断ったって言ってたなあ、とリエーフ君が不満そうな声を上げるのを聞きながら遠い目をした。
「……まあ、もう今更増えたところで一緒ですしね……私はいいですよ」
「おっ!やったー!赤葦許可が降りたぞ!!」
「そうですね、よかったです」
「姫猫が直々にオッケーを出すなら致し方ねえな……時間配分考えねえと……」
喜ぶ木兎さんと赤葦さんに、黒尾さんが微妙な表情をしつつ考え込みだした。なんでこんな事になってるんだっけ……孝支先輩のせいだな……!
「ようし!そうと決まれば俺らも風呂入ってくるかー!」
「そうですね。Aちゃんは疲れてますし、俺らが待たせる訳にはいかないんで」
「俺らもそうするか、リエーフ行くぞ」
「はーい!じゃあA後でな!ゆっくりでいいぞ!」
そう言うと4人はトレーを持って席を立った。それを手を振って見送ると、ようやくゼリーを食べ終えて一息つく。
と、また更に2つのゼリーが目の前に置かれた。翔陽くんと蛍くんだ。
「ほら、俺らの分も食っとけ」
「流石にそれは少なすぎるしね」
「…………わかった、ありがとう」
目を丸くして2人を見返してから私は小さく頷いた。心配をかける訳にはいかないしとなんだかんだで4つ目のゼリーに手を伸ばす。幸いな事にゼリーなら小さい事もあってするっと入るのが助かる。
「明日で合宿も終わりなんだね……帰ったらすぐ春高予選かあ……なんか早いね」
「本当になー!まだまだ合宿してたいけどな!他校と一緒って楽しいし!」
「日向は元気すぎる……本当その体力どこから来てんの……」
「あはは、確かに翔陽くんは合宿満喫してる感あるよね」
翔陽くんはどこまでも楽しそうだ。中学の時にできなかった事をこれだけ力入れて出来るのだから、当然と言えば当然だ。
「春高は一次予選と二次予選に分かれてるんだよね……まあ烏野が一次予選勝ち抜けない筈がないから一次は心配してないけど、問題は二次だよね……」
「そーだな、確かに二次なんて強敵しかいないもんな。伊達工に青城に白鳥沢……ワクワクするな……!」
「日向はなんでそんなポジティブなの……」
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作者名:さくら | 作成日時:2020年6月10日 22時