東京合宿・day6 4 ページ28
「あ、そんな気を遣わなくても大丈夫なのに……!すみません、二人ともありがとうございます」
「いいって事よ!」
「そうそう、遠征ももうあと一日切ってるし……もうちょいだし頑張ろうぜ!」
一瞬断りかけるが、私の事を気にしてくれたんだからと断りを飲み込んでお礼を言うと、二人ともニッと笑い返してくれた。
「マネを大事にするのは当たり前だもんな?なあ?」
「…………なんでこっちを見るんですか」
「?そりゃそうですよね!マネージャーは大事にするものです!」
と、黒尾さんが蛍くんをにやにやしながら見た。それに蛍くんが眉を寄せていると、翔陽くんはきょとんとした様子で頷いている。
「いーや、よく見てんだなって思って」
「!なっ、別にそんな事は……!」
「あー、月島なんだかんだ言いながらもAの事気にかけてるもんなー……確かによく見てんなって思う発言は多い気がする」
「へー!そうなのか、意外だな!」
「なんだ、月島くんはAちゃんの保護者的立ち位置なのか??」
「…………木兎さん…………」
「あはは、あながち間違ってないかも!」
にやにやしながら蛍くんを見る黒尾さんとリエーフくんに、翔陽くんが首を傾げつつ返していると木兎さんの少々ズレた言葉が飛んでくる。赤葦さんがそれに顔を思わず覆っていて、私は思わず笑ってしまった。
でも実際なんだかんだと気にかけて貰っているのは間違いないとは思う、冷たいように見えて実は優しいのが蛍くんだ。……やたらと人をオモチャにする傾向はあるけど。
そう思いながら音駒2人組から貰ったゼリーを口にしていると、蛍くんを見ていた黒尾さんが視線をこちらに移した。
「ま、今日もしっかりドライヤーさせて貰うから安心していいぞ」
「バテてるなら尚更な!」
「あはは……もう断る権利もない感じだなあ……」
二人が楽しそうに言うのに、それを見ていた木兎さんと赤葦さんが突然手を上げた。
「はい!それ俺もやりたい!!」
「木兎さんの見張りを兼ねて俺含めた梟谷も」
「見張りを兼ねて!?」
「見張りって何赤葦!?!?」
「は?なんでだよお前らんとこは2人も女子マネいんじゃねーか」
木兎さんが手を上げた事よりも、赤葦さんの見張りを兼ねるという中身が気になって思わず声を上げてしまった。それに木兎さんが驚いて赤葦さんを見た。それに黒尾さんが目を丸くして問い掛ける。
「先手を打って断られてます。ついでに森然も生川も」
「あいつら早かったよな……断るのだけ……」
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作者名:さくら | 作成日時:2020年6月10日 22時