【HQ】烏野の「姫烏」12(完結) (ページ27)

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東京合宿・day6 3 ページ27

「本当になー！冷めてるよなー。月島そういうとこだぞー」
「ちょ……っ、やめてよ昨日の大王様じゃあるまいし……！」
「？なんで徹くんの名前が出てくるの？」

私と翔陽くんに冷めてる、と言われ蛍くんが顔を引きつらせたのに私は思わずきょとんとした。なんでそこで徹くんの名前が出てくるんだろう。

「───昨日烏野部屋でちょっと話題に上がったんだよ。
あの人はいつでもあの人だよねって」
「！そ、そう！そんな感じ！！」
「あーなるほど……その感想はすごくわかる……」

蛍くんと対照的に翔陽くんが何故かちょっと焦っているのが気にはなるけど、春高予選も近いし他校の話題が上がるのは別におかしくない。わかる、と頷きながら食堂へと到着すると、手早く日替わり定食を3人で選んで席に着いて食べ始める。適当な会話を3人でしていると、いつも通りすぐに木兎さん、赤葦さん、黒尾さんがやってきて賑やかなディナータイムとなった。

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「はあ……食った食った……本当毎日腹減るよな～」
「日向はちょっと食べ過ぎ……見てるだけでお腹一杯になる」
「わかる……」
「チビちゃんは身体ちっちゃいのにどこにそんな量入って行くんだろうな～」

しっかりと何度もおかわりをして満足気な翔陽くんに、思わず凄いなと皆で視線を向けていると蛍くんがこちらのトレーを見た。

「……お姫サマはいつもより進んでないんじゃない？」
「ん？……本当だな。どうした腹減ってないのか？」
「お腹空いてた筈なんだけど……思いの外入らなくて」

リエーフくんも私のトレーを覗き込むのに私は小さく溜息をつく。お腹空いてたのに、すぐにお腹いっぱいになってしまった。

「んん～？どうした夏バテ来ちゃったか？？」
「烏野は遠征慣れしてないみたいですしね……6日目ともなれば疲れも出てきてもおかしくないかと」
「だ、だだだ大丈夫かAちゃん……！？」
「く、黒尾さん落ち着いて！ちょっと食欲落ちてるだけで身体は別に元気ですから！」

木兎さんと赤葦さんがそう言うと、何故か黒尾さんが慌てだした。それに驚いて黒尾さんを宥めると、黒尾さんはそれでも心配そうに私を覗き込む。

「大事なうちのマネだからな……！よし俺のフルーツゼリーを献上しよう、これぐらいならもうちょっと食えるだろ」
「あっ俺のも俺のも！成長しない前に倒れちゃったら大変だからな！」

そう言うと黒尾さんとリエーフくんは私のトレーに定食についていたフルーツゼリーを置いた。