東京合宿・day5 1 ページ19
早いもので、気が付けば合宿ももう5日目の夜。
昼間よりは暑さが緩和されたと言っても真夏の夜、熱帯夜の中今日も3日目からのメンバーと同メンバーでひたすら3対3が行われている。
私は変わらず得点係をしながら3対3を食い入るように見て、合間にタオルやドリンクを渡し、試合の経過をメモるいつも通りのマネージャー業務を行っていた。
「はいどうぞ」
「!さんきゅーA!なんかAからタオルとドリンク渡されるの久し振りの感覚だなー!」
「猫に浮気してるからねーそこのお姫サマ」
「浮気じゃないよ!?蛍くん酷い!」
タオルとドリンクを翔陽くんへ渡すと、嬉しそうに笑みを返してくれるのに私も笑う。と、蛍くんが意地悪い笑みで浮気と言うのに心外だと思いながら、蛍くんにもタオルとドリンクを渡す。すると私の背後にリエーフくんと黒尾さんが立った。
「あーこれはあれかー?Aいないから寂しいんだな〜?」
「そうだな〜Aちゃんは今はうちのマネだからな!!」
「………まあ、もうあと2日ですけどね」
『ぎゃあ!やめろー!!!』
にやにやとしながら2人が言うが、次の蛍くんの言葉に一刀両断されて声を上げるのに笑いつつ木兎さんと赤葦さんにもタオルとドリンクを渡す。
「はい、木兎さん、赤葦さん」
「おう!ありがとな!」
「ありがとう。……音駒は7日目になったら泣き崩れそうだな……Aちゃんいなくなるから……」
「本当音駒だけに猫可愛がりされてるもんなー」
「大したお手伝いも出来てないんですけど、有り難い事です」
そう言って嬉しさからにこにことしていると、翔陽くんが間ににゅっと入ってきた。
「音駒だけじゃなくて烏野でも猫可愛がりだけどな!後青城も」
「ほーう?姫烏はどこでも大人気か!」
「だろうな、わかる」
「わかりみしかねえな!」
「あーわかりますAはなーんか頭撫でたくなるし」
梟谷+音駒の4人がそれぞれ頷いてくれるのに、思わず目を丸くすると私はくすりと笑った。
「違いますよ、皆さんが良い人達で大切にしてくれてるんです」
「それを言うならAもな!いい子だから可愛がられるんだろ」
「私は普通だとは思うけど……そう思って貰えてるなた嬉しいよ。大事にして貰ってて本当に有り難いしね」
確かに可愛いがって貰っているとは感じる。私も烏野は勿論、音駒も青城の皆も大事だと思うし、きっとお互いにずっとこんな感じなのだろう。大事にしてもらっている分頑張らなければ、と心の中で気合を入れた。
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作者名:さくら | 作成日時:2020年6月10日 22時