【HQ】烏野の「姫烏」12(完結) (ページ15)

今日:8 hit、昨日:16 hit、合計:108,886 hit

東京合宿・day4 5 ページ15

「おいこら飛雄！何あの写真！！」
「いや、見たままですけど……ちなみにあの後、菅原さんは「春高行くんだからまだ次ありますよ！」ってAに宥めすかされて音駒側に軍配が上がってました」
「なんだよその報告は───！！！」

あの後烏野に当てがわれた教室へと戻ると、そのタイミングで及川さんからの電話がかかってきた。
予想通りの反応、悔しそうで何よりだと思いながら話していると他のメンバーが電話から漏れる声にこちらを見た。

「？なんだ及川か？？なんで影山にかかってきてるんだ」
「確かに。Aちゃんにじゃないんだ」
「なんかAにかけてくるなって言われてるっぽいですよ」
「おいこら飛雄！！そこまでハッキリしっかり言われてない！！」

澤村さんと東峰さんが首を傾げるのに理由を説明すると、電話から更に及川さんの喚きが漏れた。と、それに菅原さんと田中さんと西谷さんが瞳を輝かせた。

「えっなにそれ！ちょっとスピーカーにしてよ！」
「かけてくるなはキッツいなー！！」
「それはやべえ！なんで言われたのか聞きたい！！」

菅原さんはそう言うなり俺の手から携帯を取りスピーカーとテレビ電話ボタンをタップした。そして部屋に及川さんの喚きが響く。

「いやだからそこまでハッキリくっきり言われてないって言ってるのに！相変わらず失礼極まりない奴らだな！！」
「そこまで、って事は、ハッキリくっきりじゃなくても似たような事は言われたって事？？」
「………………」

及川さんの喚きに日向がさらりと痛い所を突いたようで、及川さんはそのまま押し黙ってしまった。似たような事は言われたんだな……

「えっいつ？俺達が迎えに行った時は既に不機嫌MAXでしたし、迎えに行く直前？」
「あー……そう言えば不機嫌だったね……あ、合宿帰りも俺達が送るんで来なくていいですよ」
「帰りまで！？お前らどれだけ俺の仕事取ってったら気が済むの！？」
「そういえば今回はお前らが迎えに行ったのか。それはそれで珍しいな」

田中さんが目を丸くして山口と月島に珍しい、と言うと山口が頷く。

「Aちゃんが気にしてたんですよ、幾ら男でも遅い時間に1人で帰らせる事になるからって」
「次の日も朝早くから部活だろうし、とも言ってましたね。気遣われてるみたいですねーよかったですねー」
「いやメガネ君なんで面白くなさそうなの？」

月島はそこに関してはからかうネタがないからか、本当に面白くなさそうに心の篭ってない声掛けをしていた。