東京合宿・day4 1 ページ11
「んんん…………今日も暑い………………」
今日もかなりいい天気。昼休みすぎ、大量の洗濯物と格闘しつつ私は空を見上げる。頭上には綺麗な青い空と入道雲が広がっており、まさしく夏!と言わんばかりの空だ。
かなり生温い風がさあ、と私のポニーテールにしていた髪を攫う。これで風がもう少し冷たければ少しは快適なのに、と思っていると。
「─────…………???」
ふと視線を感じたような気がして私は辺りをきょろきょろと見回す。が、特に人の影はない。
「───…………気のせい?」
暑いしちょっとぼーっとしちゃったかな、と思えば私はカゴを持って校舎へと入る。と、入ってすぐの所に飛雄くんがいて目が合った。
「あ、飛雄くん。どうしたの?洗濯物かな」
「!お、おうA。ああ、洗濯物を置きに来た所だ」
「そうなの?じゃあ預かっておくね、えーっと烏野のカゴは……と」
笑みを向けると、飛雄くんは少々驚いたのか目を丸くして私を見た後、持っていた洗濯物を指差した。私は飛雄くんから洗濯物を預かると烏野の洗濯物のカゴに入れる。よし、と振り返ると飛雄くんはまだ何か言いたげにそこに立っていて、今度は私が目を丸くする番だった。
「あれ?もしかして私に何か用事??」
「あー………いや、最近というか……合宿どうかと思って。ずっと音駒に居るだろ、あんま喋ってねえからな」
「!ああ……!うん、音駒の人達皆優しいし、私自身は大した事も相変わらずしてないから平気だよ。飛雄くんはどう……?速攻、やっぱり大変だよね」
どうやら私の様子を気にしてくれていたらしい、飛雄くんは速攻の事で大変な筈なのに、と嬉しさと申し訳なさを同時に感じては笑みを浮かべ問い掛けた。
「そうだな……でもなんとなくトスは掴んできたような気がする」
「!ほんと!?……じゃあ合宿中に成功するの見れるかな?」
「……それには俺だけが成功してもダメだからな……なんとも言えねえところだな」
「そっか、でもなんかもうちょっと、って感じだね。ふふ、楽しみだなー」
「やるしかねえだろ、って言ったからにはやりきらねえとな」
私が楽しみだと笑うと、なんとも言えないと微妙な顔をしていた飛雄くんが不敵に笑った。うんうん、やっぱ飛雄くんはこの王様スマイルがいいよね、とついつう思ってしまう。
「そういや、及川さんは相変わらず毎日電話かけてきてんのか?」
「徹くん?ううん、初日はあったんだけど、一昨日も昨日も特に連絡はないかな」
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作者名:さくら | 作成日時:2020年6月10日 22時