28.始めから ページ28
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「私も……貴大の……彼女になりたい」
貴大の胸の中、今度は抵抗せずに。
あの時と同じ言葉で。
返事をする。
「良かった……俺、お前に彼氏出来たって聞いて焦って…」
「だ、誰に聞いたのそんな嘘を！」
「志戸だよ、バレー部の。お前の元カノ、新しい彼氏出来てたぞって言われて……いてもたってもいられなくなって……」
ふふ、おかしいな。
貴大ってもっと飄々としてて冷静じゃなかったっけ？
こんなに動揺して、慌てるなんて……
可愛いところもあるんだな。
「それ1年マネージャーのことでしょ？」
私が冷静に突っ込むと
暫く無表情で固まった。
「………俺としたことが……早とちりした………」
そう言った貴大が、おかしすぎて。
私は笑ってしまった。
「笑うな…」
少し恥ずかしそうにする貴大。
長く付き合ってたと思っていたけど
まだまだ知らないところもあるんだなって、再確認した。
だって、誤解して焦って、こんなに必死になっている貴大なんて初めて見たから。
たまらなく嬉しくて
ついつい、抱き締める腕に力が籠る。
「こんなとこで抱きつかれたら、俺ヤバいわ」
「先に抱き締めてきたのはそっちでしょ」
笑い合いながら、体を離す。
私たちは、今日からまた彼氏と彼女に戻ったんだ。
「とりあえずこのまま久しぶりのデートといきますか？」
いつもの調子を取り戻した貴大は前と同じ笑顔で私の手を引いた。
「これ、また鞄につけていいかな」
クリスマスにプレゼントし合ったキーホルダーを、鞄の中から取り出すと
貴大は嬉しそうに笑った。
「お前のそういうところ、好きだよ」
今まで私たち、近すぎて
見えてなかった部分があったのかもしれない。
一度離れて、お互いにやっぱりお互いが一番だって気づけたのかもしれないから。
あの時の辛さや悲しみも、無駄じゃなかったと思いたい。
----- fin -----
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茜(プロフ) - kirakirahikaru0さん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます！こういう言葉をいただけると、本当に書いてよかったと思います。こちらこそ読んで頂きありがとうございました。 (2019年8月1日 10時) (
レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
kirakirahikaru0(プロフ) - 最高でした！！最後号泣でした。素敵な作品をありがとうございました。 (2019年8月1日 10時) (レス) id: 094bc50104 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - ささ身さん» とても嬉しいコメントありがとうございます！私の文章で楽しんでいただけたなら光栄です！こちらこそ、最後まで読んでくださってありがとうございました。 (2018年12月16日 1時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
ささ身(プロフ) - 本当に最高でした！！涙が止まらず……面白すぎて、一気読みしてしまいました。素晴らしい作品に出会えて良かったです！！ありがとうございました！！ (2018年12月16日 0時) (レス) id: ee0a51c765 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - そうさん» ありがとうございます！切ない感じ、心に届いてたなら嬉しいです！また皆様に読んでいただける作品を書けるように頑張りますね。 (2018年10月21日 10時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茜
| 作成日時：2018年9月27日 22時
