22.手に入れたものと失ったもの ページ22
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花巻side
来てくれることを期待していた訳じゃない。
けれど、顔を見たら何を言われてももう嬉しさしかなくて。
我慢出来ずに抱き締めてしまっていた。
抵抗されたけど。
それでも腕の中に収めてしまったら
愛しさが溢れて離せなかった。
憎まれ口を叩かれても、それが今じゃ余計に愛しい。
別れてそんな経ったわけでもないのに
懐かしくて心地よい香りに、心が落ち着いていった。
「めっちゃ、落ち着いたわ。ありがと」
名残惜しく体を離して、なんとか声を絞り出してAにそう言った。
「頑張れ」
Aも小さく呟くようにそう言って、俺の肩を叩いた。
どれだけAが俺を理解してくれていたか。
どれだけ好きでいてくれていたか。
別れを告げられてどんな覚悟だったのか。
今さらに身に染みる。
本当に、もう今さら。
Aと別れて、家にたどり着く頃
栞からメッセージが入っていた。
“別れたいです”
こうなることも予想出来ていた。
彼女のこともだいぶ傷つけてしまった。
俺の気まぐれと身勝手で振り回して。
何でもかんでも理解してもらえるのが当たり前じゃないし
ましてや付き合って日も浅い年下の女の子に
Aと同じ気配りを求めるのが間違っていた。
と言うか、Aを振って乗り換えたくせに
結局はAみたいに接してくれることを望んでしまっていたみたいだ。
“わかった。今までごめんね”
そう送った。
“引きとめてくれないんですね。やっぱり私のことあんまり好きじゃなかったんですね。酷いです”
………いや、俺も大概面倒な男だけどさ。
やっぱり女の子って
よくわかんなくて、面倒くせえ………。
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茜(プロフ) - kirakirahikaru0さん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます！こういう言葉をいただけると、本当に書いてよかったと思います。こちらこそ読んで頂きありがとうございました。 (2019年8月1日 10時) (
レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
kirakirahikaru0(プロフ) - 最高でした！！最後号泣でした。素敵な作品をありがとうございました。 (2019年8月1日 10時) (レス) id: 094bc50104 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - ささ身さん» とても嬉しいコメントありがとうございます！私の文章で楽しんでいただけたなら光栄です！こちらこそ、最後まで読んでくださってありがとうございました。 (2018年12月16日 1時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
ささ身(プロフ) - 本当に最高でした！！涙が止まらず……面白すぎて、一気読みしてしまいました。素晴らしい作品に出会えて良かったです！！ありがとうございました！！ (2018年12月16日 0時) (レス) id: ee0a51c765 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - そうさん» ありがとうございます！切ない感じ、心に届いてたなら嬉しいです！また皆様に読んでいただける作品を書けるように頑張りますね。 (2018年10月21日 10時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茜
| 作成日時：2018年9月27日 22時
