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養護教諭にお節介を言われ

教室への戻り道

ある程度人と関わっていないと後々面倒

そう、結論づいた


そう思った矢先

一部のチャラついている奴らに絡まれた時手が出そうになったが

あ…いいチャンスじゃないか

気付いた


貴方「あぁ…心配してくれてありがとね」



元々顔は悪くないし

身長だって180cm近い俺は

本気を出せばそこら辺の女、男だったら

直ぐ手玉に取れる


案の定

このクラスの大半の男女は

手のひら…かな?


席に着くと丁度担任が来て帰りのSHが始まり

俺への目線は担任へと注がれ

視線を窓の外へと向ける


すると

隣の席の奴が大丈夫なの?と眉毛を下げて聞いてきた


貴方「あ、うん…あのさ」


俺が話を広げた事が嬉しいのか

目を輝かせてこちらに向き直す

でも、輝いていた瞳は


貴方「俺の事運んでくれたのって…誰?」

菅原「…あ、後でこっち来ると思うから」


質問をした途端に

落ち込んだ様な

嫉妬する様な瞳に変わってしまった


SHが終わり話し掛けてきた奴

俺を保健室まで運んでくれたらしい

短くお礼を言うと


澤村「あぁ、別にどうってことないよ」


自然に笑う彼は澤村大地と言うらしい

身長は…170後半って所だろうか

あまり背は高く無いけれど

身体付きはがっしりしていて

大きく見えた



澤村「またサポーター忘れんなよ?」

菅原「あ!忘れてた!」

澤村「…おい…」


慌てる彼が手にしたものは


バレーのサポーター

見た瞬間

気分が悪くなって吐きそうだったけれど

またここで倒れたりなんてしたら

面倒くさいことになる

力の入らない膝

このまま歩きだしたりなんかしたら

倒れ込んでしまう

2人がこの場から消えて

この教室に独りきりになるまで待とうと

力なく椅子に座る


澤村「じゃあな鷲見」

菅原「バイバイ!」

貴方「あ…うん、頑張れ」


やっと出て行ったと安堵のため息をひとつ




菅原「これ、俺よく部活で手切れたりするんだけど最近使わないからあげる、ちゃんと使えよ?」


驚いた事に目の前に菅原が居て

無香料のハンドクリームを机に置いて廊下へと出て行ってしまった


呆気に取られ呆然とする

目線を下に移せば

あかぎれてなんとも醜い手が見えて

置いていったハンドクリームを手に取って塗ってみる

いつもはハンドクリームなんて使わないし

買ったこともない


塗ったとしてもさほど変わらない手

でも

なぜだか

暖かくて

嬉しくて





俺は独り、静かに泣いた

10.→←8.澤村大地side



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設定タグ:HQ , 菅原孝支 , 赤葦京治
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作者名:塩味 | 作成日時:2016年2月22日 19時

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