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逃げ込んだトイレ

本当はこんな所入りたくない

誰が使ったかも分からないのに

こんな所居たくない

息だって吸いたくない


だけどしょうがない






貴方「ゴホっ!!…うわ…またか…」






手が紅く染まってしまうのだから


きっとさっきの奴と喋ったせいだ

だから軽い発作だって起きてるし

そのせいで息だって苦しいし


いつもだったら話すくらいじゃこうはならない

なのに今なるのは





あいつがあの人達に似てたからだ





顔とかじゃなく背丈が

あの人達も無駄に背丈が高くて

俺の事も軽々と持ち上げて



そう思い出した瞬間、また押し寄せる発作

前より少しだけ






血が沢山出た









.









ずっと咳き込んでいたせいで分からなかった

人が居た事に


話し掛けてきた奴はいい奴なんだろうが

そんな優しさ俺にかけるだけ無駄だ

冷たく返せば

子供みたいに言い返して来た



うるせぇな…



こいつで気が紛れたのか収まる発作

結局今日1日サボってしまった

今きっと6限目が終わったんだろう


扉を開け顔を前にあげる






貴方「…んだよ」






怯えた仔犬の様な目でこいつが見てくるのも仕方が無い

今の俺はホラー映画から出てきた様だから


怯えるこいつの隣を素通りして鏡の前に立つ



これは確かに酷いな…



流れる水が紅く染まる

シャツにもついてしまっがのがかなりしんどいが

もうどうも出来ない

捨てるか



どうにか血を洗い流し固まるさっきの奴へと視線を戻す

相変わらず怯えた表情でビビっている様子だった



俺なんもしてねぇつのに








貴方「…悪かったな、俺の事はほっとけ1年」








人と話すなんて

ましてや男と話すとか本気無理だけど

何でだろうな


さっきのオレンジ頭の1年と話しても大丈夫だった

多分、背が小さいって言うのと


何処か弟に似てるからだろうな









.









.









ボールが跳ねる音

バッシュが擦れる音

響いた掛け声


体育館の扉を開ける音









「失礼します」









俺の声

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作者名:塩味 | 作成日時:2016年2月22日 19時

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