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貴方「失礼します」
何時もより20分も早い登校
浅くお辞儀をしながら入ったのは
先生「おー、鷲見どうした」
貴方「少しお話があって」
嫌に冷房の効いた職員室
俺が話しかけてきた事が嬉しかったのか
子供の様に目を輝かせている
少し気持ち悪い
ただ、その嬉しそうな表情も
俺の一言で
先生「…」
お前は馬鹿なのか?
とでも言いたげな表情に変わる
本当に人間は勝手だ
だけど、分かりますよ、先生
当事者の自分でも思います
貴方「バレー部、入部したいんですけど」
今更、入部したいだなんて
そこらの奴らは引退する時期なのに
進路はどうするんだとか時期も時期だろうとか
有り得ない、そんな顔をして
小馬鹿にした様な声で気だるそうに説得しようとする
くだらねぇ
貴方「じゃあ…バレー部の奴含めて話しましょうよ…」
先生「…話は聞いてやる、だが俺は賛成しないからな」
お前の意見なんて聞いてねぇよ…
さっさと入部届渡せ糞が
口から溢れそうな本音を堪えて
失礼しますと職員室を後にする
それが数十分前の事
今は
先生「…それで、話ってなんだ」
菅原「…」
澤村「…」
貴方「あぁ…」
書類やら本やら教材やら
雑に詰め込まれている部屋に並ぶ机と椅子
そんな即興の密室に、困惑した表情で座る
俺が無理矢理呼んだバレー部の2人
悪いな、なんてこれっぽっちも思っちゃいない
元はと言えば
巻き込んで来たのはそっちだ
だからお前らがここに居るのは当然だろ
先生「鷲見…何を思って今更部活に入りたいって言ったのかは知らんが、幾ら何でも遅いと思わないのか?」
貴方「ふー…何も訳が無い訳じゃ無い」
うるっせぇ糞じじぃだな…
荒い鼻息をわざとついてから
椅子の下に手を伸ばし、家から持って来た紙袋を取り
貴方「これ、全部俺です」
投げ捨てる様に机へとぶちまける
勢いに任せて出て来たのは
菅原「お前…こ、これ」
俺の懐かしい記憶
思い出したく無い記憶
俺の
.
.
輝かしい功績達
.
.
なぁ?俺には利用価値しか無いだろ?
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作者名:塩味 | 作成日時:2016年2月22日 19時